元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第487回
ガン再発予防と「自家がんワクチン」

12月のスローヘルス懇親会の講演で
ちょっと話題だったのは、
最近、土屋繁裕医師が始めた免疫細胞療法の
「自家がんワクチン」というものです。

免疫細胞療法というと
大抵がガンを攻撃するリンパ球などを
体外で作って体内に戻したり、
もしくは免疫刺激剤を投入するものですが、
大抵が持続力や個人差があって、
効果はあまり芳しくありません。

ところが「患者本人のガン細胞」を摘出して、
予防ワクチンを作る免疫細胞療法が
新たに開発されたというのです。
他の免疫細胞療法ですと、
だらだらと一年近くかかる治療が、
自家がんワクチンは、隔週に1回、
計3回注射ですむそうです。
土屋医師の説明はこうでした。

「ガンの再発・転移の防止を目指した新しい治療で、
患者毎に最適なワクチンを作り、
投入することになりますから、
まさに個人に特化された治療=テーラーメードな治療なわけです。
患者から摘出したガン細胞に
加工を施して体内に戻し、
患者の免疫力を高めるもので、
「自家がんワクチン療法」と呼ばれます。
自家がんワクチンはホルマリンで防腐などの処理をし、
さらに免疫力を刺激する
『アジュバンド』という薬剤を混ぜて注射します。
患者から2グラムのガン細胞を取り、
病理検査用にとった残りのホルマリン漬けガン組織が
2グラムがあれば、
自家がんワクチンが作製できます」

摘出した患者のガン細胞を体内に戻して、
かえってガンが増殖しないか?
と心配する質問もありましたが、
「ホルマリン漬けで固定されているので、
自家がんワクチンには、生きているガン細胞が
含まれているという心配はありません」
という答えでした。

この治療の技術面をサポートしているのは、
「セルメデシン」という細胞医療のベンチャー企業ですが、
詳しい情報はこの会社のホームページで確かめて見てください。


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