元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第496回
温める食べ物、冷やす食べ物

この「冬の冷えは万病のもと」という話は、
昨年暮のスローヘルス懇親会で、
食養指導者の山村慎一郎さんの講話でも話題になったのですが、
前回上げた古来からの食養の4原則――
(1)医食同源(2)五味五色(3)身土不二(4)一物全食
そして「食性」の知恵を思い起こして、
体を冷やさない食生活を工夫しましょう。

「冷え」は血管が収縮して血液が不足する状態を招き、
体のバランスを崩し、免疫力を落しますから、
いくら暖房の中で暮しているからといって、
トロピカルフルーツでも、アイスクリームでも、
ビールでも過食過飲することはいけません。

こうしたマクロビオティックや漢方の食養思想は、
対症療法を旨とする西洋医学とは発想が違い、
気(生命エネルギー)、血(血液)、水(尿、リンパ液など)の
バランスこそ健康のヒケツと説きますから、
慢性病や不定愁訴などの治療、
養生に向いていると考えてください。

では、体を温める食べ物はどんなものを摂ればよいのか?
その食性を山村慎一郎さんの講話から、
まとめて見ましょう。
冬に「冷える食べ物」として、注意すべきは以下の食品です。

● 夏の野菜、果物、さらに熱帯のものは体を冷やす。
トウモロコシ、ナス、トマト、ジャガイモ、アスパラガス、
キュウリ、紫キャベツ、牡蠣、はまぐり、蛸、イカ、鱒など。
ただし、なるべく冬場は、焼いたり(ナス)煮たり(鍋物)、
干したり(椎茸、切干大根)、調理に時間をかけると、
体を冷えから守ってくれるようです。

●体を温める食へ物→冷やす食べ物
【穀類】雑穀、稗、そば、玄米、ゴマ→トウモロコシ、小麦
【茶】高麗人参茶、三年番茶、番茶、蓬茶、紅茶→緑茶、コーヒー
【果物】桃、梅、さくらんぼ、クルミ→バナナ、スイカ
【酒類】熟成された高級ウイスキーなど→ジュース、シャンパン、
     ワイン、ビール
【肉類】雉、七面鳥、鶏、兎→馬、牛、豚、蛙、蝸牛
【乳製品】山羊の乳→バター、チーズ、アイスクリーム

しかし、これもあまり厳密に考えるのではなく、
1週間に1回くらいは息を抜く食事=ハレの食事を少々摂ることも、
ストレス発散になる――つまり「よい加減」で
食生活を工夫しようというのが山村さんからのアドバイスです。
とくに体質的に男性より脂肪が多い女性は
「冷え性」をこじらせないためにも心してください。

僕もなるべく基本は守っていますが、
付き合いや外食でどうしても冷える食事を摂ったあとは、
ブラックジンガーなどをコーヒー代わりに飲んで、
排毒に努め、体を温める工夫を凝らしています。
この「よい加減」の食の法則を体得すると、
寒い冬場を上手に乗り越えることが出来ます。
たとえガンの患者さんでも、
また希望に満ちた春が迎えられるものなのです。


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