元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第509回
前立腺ガン「治療5時間、入院3日間」

前立腺ガンの手術というと
入院に1ヶ月近くかかるというのに、
昨年9月、日本でも解禁された、
ブラキセラピーという微量適量の放射線源を
患部に埋め込む治療法で、
翻訳家のKさんは、たった3日で退院してきました。

早速、電話がかかってきて、
元気溌剌の声が飛び込んできました。
「いやー、治療は5時間、入院は3日間。
痛みもない。
もちろん、臓器を切り取られたわけでないので、
手術に比べたら夢のような治療でしたよ」
もちろん、男性の股間の奥に
患部が鎮座しているわけですから、
治療が出産スタイルの大股開きになることはヤムを得ません。
「いやはやなんとも情けない話ですが、
これで命が助かればと思えば有り難いことでした。
ハッハッハ」

下半身には麻酔がかけられますから、
痛みはないのですが、
治療の方法は以下のようなものです。
尿道からは細いカテーテル、
肛門からブローブという超音波発信器を入れて、
前立腺の影像をとらえるようにし、
会陰部から長さ20センチほどの
太目の注射針のような導管をクシ刺しにして、
密封された放射線源を患部に埋め込む方法です。

ちなみに、
ブラキセラピー(Brachytheraphy)
のBrachyとは「短い」を意味する英語の接頭語で、
いわば「近接照射療法」という意味ですが、
日本では「小線源療法」と呼ばれています。
この放射線療法はもともと
口腔ガン、子宮頚ガン、食道ガンなどに応用されていました。
僕も食道ガンの手術を拒否して
退院後受けた放射線治療が
小線源療法ですが、
これはラルストロンと呼ばれ、
食道腔内に管を入れて放射線を照射するものでした。

ブラキセラピーは1970年にアメリカで
前立腺ガンにも使われ、
日本でも解禁される前は、
財界の要人などがこぞって、
アメリカに渡り、
「いやー、1日入院して、
次の日にゴルフをやって帰ってきたよ」
というエピソードも取り沙汰され
有名になった療法でした。


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