元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第541回
肉汚染騒動は「命への警告」

テレビのワイド番組を見ていると、
アメリカの牛肉の輸入禁止、
そして、ベトナム、中国、日本、アメリカと
飛び火した鳥インフルエンザの余波――
肉汚染騒動が連日連夜、囃し立てられています。

「最後の牛丼を食べる客」を捕まえろと、
吉野屋の店頭に
各社のテレビカメラが押しかけるに至っては、
あまりのお祭り騒ぎの光景に、
思わず苦笑した視聴者も多かったと思います。

また一方では、肉汚染騒動の余波で、
あらぬ風聞が広がり、
とばっちりを受けた食品業者も多かったのでしょうか。
スポンサー筋に配慮したとは
勘ぐりたくはありませんが、
とつぜん、
「肉を食べないと老化を早める」
「肉を食べないと早死にする」と
声高にがなりたてる健康番組が出てきたのには
ビックリしました。

前に書きましたが、
顔つきは日本人でも
「身体はアメリカ人なんです」と豪語する
肉食過食の若者が増えているのが現実ですから、
こうした肉食至上主義に
どっぷり染まったテレビ番組が跋扈するのも
仕方のないことかも知れません。
しかし、僕のように玄米菜食で体質改善をし、
ガンの再発をうまく避けてきた患者からすれば、
ちょっと待ってくれよと言いたくもなるのです。

では、テレビに登場するコメンテーターの唱える対策はどうか?
大抵が「もっと安い、国産肉を大量に作れ」というものです。
もちろん、肉に限らず、
日本の食料自給率の低下は目に余ります。
しかし、この肉汚染騒動が問うているのは、
「食は安ければよし」「食は多ければよし」なのでしょうか?
いま問われているのは、
食の質、いや日本人の「命の質」だと思います。

別に僕は玄米菜食の食養指導者を
生業としている者ではありませんし、
頭の硬いベジタリアンでもありませんので、
肉を食うなとは申しません。
ただ、この肉汚染騒動では
たとえば、本当の有機飼料を使った肉は出来るのか?
いま地球は自然の理に反した畜産をやりすぎていないか?
こうした根源的な問題――
経済から生甲斐まで、
まだバブル発想から抜け切れない
日本人の「命への警告」がなされていると思うんです。

「過ぎたるは及ばざるが如し」
あなたはこの命の処世訓をどう思いますか?


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