元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第634回
中国株本フィーバーに騙されるな

日本から日本人らしい「常識」が
ドンドン無くなっている――
ちょっと、おかしい話をもうひとつ。

遅まきながら日本経済の重鎮も評論家も、
「中国崩壊論」から「中国共存論」に急変し、
いまや、中国投資、中国株の本が書店の書棚を占拠する、
何度目かの「中国本」ブームの到来なんですね。

不振の「救世主」のひとつが中国本だと
出版界の営業現場では狂乱フィーバーしているらしいのです。
たしかに、僕も、1冊、毎年出版している
「中国株で大成金」シリーズという本の4冊目を出したところ、
隣の書棚には、
まんがイラスト入りの中国株入門書や、
カタログまがいの中国株入門ムック本が
あふれ出ているのにはびっくりしました。
あなたも1冊や2冊そうした本を買ったことでしょう。

でも、中には、ブームに便乗した、
ニワカ中国株評論家や、
まったく中国の証券市場に行ったこともない、
付け焼刃の編集者が本作って売っているものもありますから、
開ければ、誤植だらけのムックも出てきたり、
長年、中国株をやってきた仲間からは
おおいに顰蹙をかっておりました。
僕の本にも数箇所誤植があり、
これは増刷分で訂正させていただきましたが、
中国株本とはブームに乗っただけの軽はずみな編集では
御せないところがあるものなのです。

ところで、日本の「常識」が
どんどんおかしくなっている時代ですから、
中国で儲かるならばなんでもよしというわけでしょうか?
こうした中国株ムック本でもよく売れたようで、
3匹目のドジョウ、5匹目のウナギを狙えというわけで、
この6月には、まんがイラスト入りの、
中国株ムック本がまたぞろ、わんさと登場するようです。

いまや、中国経済そして中国株が、
日本人の『常識』カードとして狂乱しているわけです。
ま、中国市場に関心が高まることは結構なことですが、
仲間たちが、バブルっているのは
「中国経済市場」ではなく、
「日本出版市場」ではないのか?と苦笑しておりました。

ところが、出版界の欲ボケとは裏腹に、
この5月連休前後から
実際の中国株式市場は急落したのですから
皮肉なものですね。
あわてた、ニワカ個人投資家もいたと思います。
本当の「大成金」を目指すなら、
しっかり腰をすえて、
余裕を持って挑戦しないと、
トンでもない損をしかねない世界なのです。

浮ついた「日本の常識」に惑わされないこと――
これは『中国株』本を読み込む上でも大切なことなのです。
拙著やオンラインサイトの「大号外」では、
「ゆったりとした中国との付き合い方」
「中長期国際分散運用法」について
書いたつもりですので、
興味のある人はじっくりと、
己の処世の領分を見つめながら
読んで見てください。


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