元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第635回
いまや「中国富国」は常識なのです

前回、中国株ムック本の狂乱の話を聞いて、
「バブルっているのは
 中国市場経済ではなく、
 日本出版市場ではないのか」と苦笑している、
僕たちの仲間の話を載せましたが、
この連休前後に始まった
中国株式市場の軟調・急落相場に
面食らった、ニワカ個人投資家もいたことでしょう。

長年、中国株と付き合っている人なら、
まさにハイリスクと、ハイリターンは
こうした経験は覚悟の上で付き合っているはずですから、
「いまこそ安値で有力株が仕込める」
「高配当、高無償の銘柄が安く入手できる」と
むしろ、安値なんぴん買いで
銘柄組み換えを済ました余裕派も
仲間にはかなりおりました。

とくに、日本の「常識」では、
中国株も日本株も一緒くたに考えがちですから、
スワッ! 中国バブル崩壊か?などと
すぐ大騒ぎしたりする向きが現れます。

しかし、こと中国株に限らず、
個人投資家を志すならば、
世界の大きな「お金の流れ」を的確に掴むことが、
余裕派投資家の基本の心得なのです。
おかしな「常識」に惑わされないですむからです。

まえにも書きましたが、
アメリカの金利引き上げと、
原油の高騰の不安が加速して、
しばらく、米国株、日本株の株安が続きました。

昔『アメリカがくしゃみをすれば』
日本経済が風邪を引く、
欧州もアジアも風邪を引くという、
『世界のお金の常識』が通用してきましたが、
いまや、これに加えて、
『中国が下痢をすれば』
日本も、アジアも、欧州も、そしてアメリカも腹痛を起こす――
ま、これが24時間情報化時代の
『常識』と変わってまいりました。

これはしたたかなる、
中国政府のなせるわざなんですね。
中国という国は、社会主義市場経済などと見られておりますが、
現地へ行けば分かるとおり、
じつはしたたかなる「富国主義市場経済」の国なのですね。

日本人の「常識」など超えています。
政府から庶民まで、したたかなる、お金の亡者ですから、
損をするのが大嫌いです。
「成長過熱の下痢を起こすのはいやですよ」
「20年先、いや50年先の富国を実現するために
 ここは一服、整腸剤を盛りましょう」と、
政府は金利引き上げ、一部の銀行の企業融資を
ストップしてしまったわけです。

いまや、この押したり引いたりの
ネバリ腰が「中国富国主義政策」の常識なんですね。
拙著でも中国投資、中国株と付き合う金言のひとつに
「賢者は歴史に学ぶ」とありますが、
こうした新しいお金のモノサシを、
これからはしぶとく「常識」とすべきだと思います。
中国との付き合い方について知りたい人は、
ついでのときに、
拙著やオンラインコラムの『大号外』を読んでみてください。


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