元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第646回
ガン患者は『美談の主』ではない

情報化時代とは
知りたくないことまで振りまく反面、
やはり、使いようによっては、
多くの人に幸福をもたらします。
ガン治療とて、大いに情報化の恩恵を受けていますし、
とくに患者は、自分に合った治療法を選ぶためにも、
情報機器の使い方、情報の選別をより大切にすべきでしょう。

僕が6年前にガン病棟から脱走して、
「ガンを切らずに治す」幸運に恵まれたのは、
妻や親友たちの親身な支えがあってのことですが、
もし、あのとき、ノートパソコンが軽量化されて、
インターネットの普及が始まっていなければ、
治療情報の選択肢を誤ってしまったと思います。

ガン知識の少なさから、
おそらく、大学病院のノルマ医師の言いなりになって、
無謀な手術に身を任せ、
免疫力を失い、合併症を併発して、
命を落としていたと思います。
インターネットという情報科学は
僕にとって「命綱」となってくれたわけです。

ほんの数年間のことですが、
ガンといわれれば「不治の病」そして
「手術と抗ガン剤治療が万能」と思われ、
「医師は神様」としてあがめられ、
むごい手術や化学薬で心身を痛めつけられることが、
『患者の美徳』のように思われておりました。
医学界や製薬業界だけでなく、
情報を提供するメディアやジャーナリストたちまでが、
無理やり心身を痛めつける臓器治療を万能として、
苦痛に立ち向かう患者を
「苦悩の英雄」や「涙の美談の主」として、
もてはやす傾向がありました。

しかし、どうでしょう?
医師や病院が旧来の治療点数主義の弊害に気づかず、
「切る」「叩く」そして放射線も含めた「焼く」治療を
金科玉条の治療法といしてゴリ押ししている間に、
情報化社会は患者に
豊かな治療発想をもたらしたことになります。
情報化社会のもと、
ガン治療法では、大半の医師が遅れを取り、
長寿情報社会を上手に生きようとした患者のほうが
先を行っている――これが現実ではないでしょうか?

その意味では、まえに紹介した
帯津医師の近著「ガンに勝った人たちの死生観」
(主婦の友社)に登場し、
生還体験を語った間瀬さんという患者さんが、
「模範患者」を止めたがために
命を拾ったという話には感動しました。

僕はこのコラムで何度も、
人間の心身を丸ごと診る――いわゆる
ホリスティック医療のすすめ、
患者の「いいところ取り」の治療選択法を
すすめてまいりましたが、
いまや、このスローヘルスな(しなやかな)健康法で、
ガンから立ち直った人が多く出てきていることも否めないのです。
ガン患者は「美談の主になるな」
「ノルマ治療の模範患者になるな」
「苦痛に耐えることが治療ではない」――
もういちど、患者本位の治療を見直すときを
迎えていると思います。


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