元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第678回
大自然の旅とは一寸先が闇

ホテルから見える
ジャガイモの段々畑もすばらしいものでした。
ベランダに立つと、
まるでイタリア・フィレンツエ郊外あたりの
ぶどう畑ではないかと錯覚を起こさせるように、
長閑な光景が広がっておりました。

本当に来てよかったなあ――
往復2000キロの
カラコルム・ハイウエーの長旅も
無事に大団円を迎えようとしておりました。
たしかに母なるインダスの河畔は、
都会であくせくしている僕たちに
自然のやさしさを教えてくれ、
旅は無事に終わりを迎えようとしておりました。

ところがです。
大自然の旅とは一寸先は闇――
人間の心を癒すだけでなく、
意地悪くも、その脅威の恐ろしさも教えてくれる、
もう一つ事件が、
帰路に待ち受けていたのです。

空が一転にわかにかき曇り、
大粒の雨が激しく振り注いできたのです。
雨季の始まりのようでした。
そして、前方、行く手に土砂崩れが始まっていたのです。
はじめは、人力で岩をどけたりして
前にバスを進めようとしましたが、
どうやら対向車の情報によると、
5キロくらいにわたって、
10数箇所のがけ崩れが始まっているというのです。
右の崖の上からはまさに
バスの5倍も10倍もありそうな岩石が
崖にへばりついているではないですか?
左はどうかと覗けば、インダス川の
千丈の谷が深く切れ込んでいます。

出発前に、70歳の日本人女性観光客が、
雪崩落ちる岩石にあたって亡くなったという
ニュースを思い出して、
みんな戦慄したものでした。

突然のガケ崩れが僕たちの帰路を塞いだ

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