元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第735回
医者と患者で作ったガン翻訳本!

ガンといわれたら、なんでもかんでも切る――
手術を勧める医師が多いのですが、
ガンの種類や症状によっては、
これ以外の方法で、
QOL(命の質)を高めながら
治療方法を工夫する――
こうした知恵がこれからの患者には必要です。

前回紹介した、肺ガンと闘っている
原田廉平さんは、幸か不幸か、
大学病院の医師に見放されたために、
夫婦で知恵を絞って、
分子標的治療や代替療法の可能性を当たり、
いくつかの治療の組み合わせで、
奇跡的に快癒の道を歩んでいる患者さんの好例です。

さて、僕たちのスローヘルスの会には、
こうした心身に優しい治療を捜し求めて、
納得した人生を送っている人が何人もおられます。
まえにも、少し紹介したことがありますが、
前立腺ガンといわれ、
タイミングよく、日本でも解禁された
「ブラキセラピー」という最新の放射線治療を受けて、
見事に「切らずに前立腺ガンを治した」人がいます。
「がん長寿学」といった医学翻訳で有名な
藤野邦夫さんです。

心配された失禁や性不能の後遺症もなく、
元気に仕事に励んでいます。
前立腺ガンの手術というと、
1ヶ月ほどの治療入院を余儀なくされ、
退院後もオムツのお世話になったりする人が多いのですが、
藤野さんが、ケロリとして、
たったの2泊で退院してきたことは
まえにも書きました。

その藤野さんは快癒の喜びを、
一人でも多くの前立腺ガン患者のために知らせようと、
開発国であるアメリカの文献を探しまくりました。
そして、放射線腫瘍学の権威・ケント・ウオルナー博士の
「Prostate Cancer」
もっとも最新で分かりやすいことを突き止めたのです。

とうとう、退院後半年で翻訳し、
「前立腺がん、これで全快!
 ―手術不要の最新療法ブラキセラピー」
(小学館)
というタイトルで出版してしまったのです。
もし、手術を受けていたら、
後遺症・合併症に悩むばかりで、
こうした積極的な患者にはなれなかったと思います。
凄いですね。

まだ、日本では数少ない、
「前立腺ガンを切らずにブラキセラピーで治した」患者が
体験を盛り込んで翻訳した本ですから、
これほど分かりやすい本はありません。
藤野さんはあくまで「命を掴んだ」
スローヘルス志向の患者で医師ではありません。
というわけで、主治医の青木学・慈恵医大教授も、
「患者のためだけでなく、
 最新治療を知らない多くの医師にも読んでもらうべきだ」と、
快く、監修・共訳を引き受けてくれたそうです。

まさに「医師と患者の協力こそ命を拾う近道」
ということを証明する本でありますから、
とくに前立腺疾患予備軍の
中年の男性諸君は読んでみてください。
「心身に優しいガン治療」の最前線が、
素人にも分かるように書かれていますから、
役に立つことは間違いありません。


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