元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第780回
次の大河ドラマ「義経」だけでなく・・・

スローヘルス(しなやかな健康法)運動に共感する
お蕎麦屋さんとして、
岩手・盛岡の「さくら庵」を、前回、紹介しましたが、
そのついでに、どうしても行って見たい
「郷土館」があったので、次の日に訪ねて見ました。

「えさし郷土文化館」といって、
東北新幹線でいうと、
盛岡の手前、江刺水沢駅から、
車で10分ほどのところにある、
あまり知られていない小さな博物館です。
拝観するだけでも心が安らぐ、
とても珍しい仏像が収蔵されていると聞いたからです。

ところで「えさし郷土文化館」といっても、
ほとんどの人が知らないと思いますが、
NHKの大河ドラマ「炎立つ」「北条時宗」
「利家とまつ」などのロケ地
「藤原の郷(さと)」なら知っている人もいるでしょう。
「藤原の郷(さと)」は、広さ東京ドームの5倍、
1000年前、奥州に黄金時代を築いた
藤原氏の居城一帯を時代考証に基づいて
再現した観光名所ですが、
この郷土館はその隣にあります。
http://www.esashi-iwate.gr.jp/bunka/

では、この小さな郷土館に、
どれほど珍しい仏像があるかといいますと、
聖観音を中心に101体の金色の観音様が勢ぞろいしているからです。
ちなみに、観音菩薩とは、
この世のすべての人を救う仏様ですが、
十一面観音、千手観音、不空絹索観音  
如意輪観音、馬頭観音・・・と33変化し、
いろいろなご利益に預かるために
多くの観音信仰が生まれました。
そして、江戸時代には、寺に祭られた
各所の観音菩薩を巡礼して回る
「33観音巡り」「百観音巡り」が流行したわけです。
西国33観音巡り、坂東33観音巡り、秩父34観音巡り・・・

しかし、当時、最果ての奥州の人たちは、
距離的にも、金銭的にも
有難い観音巡りに出かける余裕はありませんでした。
というわけで、300年ほど前に、
長者の鈴木家が、仙台、京都の仏師に
101体の観音菩薩像を彫らせ、
一堂に集めて人々に「百観音巡り」を
体験させたというものなのです。
その後、明治になって地元の小原家が保存、修復。
この博物館で公開される運びとなったそうです。

こうした篤志家のエピソードや、
仏像の芸術価値が素晴らしいだけでなく、
「拝観体験」そのものがとても素晴らしいものでした。
実際に、101体の金色の観音様が
勢ぞろいした光景を前にすると、誰でもが圧倒されます。
大きなエネルギーに包まれるというか、
普通のお寺では体験できないような、
とても温かい感動を覚えるのです。
なぜでしょうか?
大抵のお寺では、一体の観音様を拝むわけですが、
ここでは33変化、101体の観音菩薩の
すべての慈悲エネルギーを浴びることが出来るからでしょう。

すでに、隣の「藤原の郷」では、
来年、平成17年の大河ドラマ「義経」のロケが始まり、
観光バスが賑わい始めております。
もし「義経巡り」の旅に出かけることがあれば、
この金色に輝く「101観音」巡りも、
ぜひ、じっくりと体感してみてください。
心が安らぐことは間違いありません。


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