元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第781回
死ぬのなら「ガン」か? 「ボケ」か?

6年前に、僕が『母はボケ、俺はガン』という
闘病記を出版したときに、
じつに人生・生死の難題について提起した
面白い書評に出くわしたことがあります。
週刊朝日のある書評氏が取り上げてくれたのですが、
趣旨は以下のようなものでした。

           *

母はボケ、俺はガン・・・
あらためて、えぐいタイトルだと思う。
かつて雑誌の名編集長として名を馳せた著者の
妙案かは知らないが、
私の手は思わず伸びてしまった。
筆者は(略)通常の患者のように静かに臥す気など毛頭なく、
ノートパソコンを駆使する日々を送る。(略)
その好奇心に満ちた精神力にはほとほと感心しつつ、
ふっと、癌は痴呆よりマシ、と思う。
痴呆患者がノートパソコンをいじり、
情報を駆使して己の病と対峙する姿は浮かんでこない。
極論を言えば、
癌には死が間近に控えているが、
痴呆はそうとは限らない。(略)
おそらく、私は、今、とても
不謹慎で危険な問題を提起しているのだろう。(以下略)

           *

この書評を読んであなたはどう思ったでしょうか?
僕は6年前に、この著書で、
「俺がガンになり、母がボケる」――
こうした社会&家庭現象を
「二世代倒病」と命名。
もちろん、この書評氏も共鳴してくれたわけですが、
いまや、80歳、90歳の長寿社会を迎え、
多くの家庭が「老老介護」ばかりか、
「二世代倒病」の危機におちいっているといって、
言い過ぎではないでしょう。

さて、この週刊朝日の書評氏が思わず吐いた、
問題提起のポイントは、
元気で長生きが念願でも、
大抵の人が、
この人生の終着点を目前に、いずれ、
「ガン」か? 「痴呆」?
どちらかの死の選択に迫られる――
では、どちらが苦しくなさそうなのか?
という話なのです。
書評氏は、「ボケよりガンの方がマシ!」と
結論を出したようです。
あなたなら、どう考えるでしょうか?


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