元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第799回
セカンドオピニオンはしたけれど

人工肛門はいやだ、おそろしい、
なんとか、切らずに治す方法はないか?
大腸に低悪性のガン様腫=カルチノイドが発見されて、
いろいろセカンドオピニオン(第2の医師)を求めて、
駆けずり回った、僕の親友の奥さんの話の続きです。

大学病院では、
肛門に部位が近い大腸ガンないし、
悪性腫瘍の手術というと、たいていが、
「大きく切って、人工肛門」にする
といった治療指針になっており、
やはり、この奥さんの場合も、
「転移を避けるためには、これしかありません」と
宣告されたようです。

しかし、この数年、インターネットの普及や、
ガンの患者学といった本がたくさん出るに及んで、
とくに東京や大阪の大きな病院では、
インフォームドコンセント(納得治療)や、
セカンドオピニオン(第二の医師)を選ぶシステムが、
いちおう浸透してきたようです。
この担当医も、かなり考え方が柔軟だったことが
幸いしました。
「僕は手術を奨めますが、
納得がいかなければ、
どうぞ、セカンドオピニオンで、
ほかに先生の意見を聞いてかまいません。
そのうえで、治療方針を決めましょう」というのです。

というわけで、習い覚えたパソコンを駆使して、
大腸ガンを切らずに治す、
少なくとも内視鏡手術で治すような考え方の
医師を探しまくったのです。
ところがたいていの医師が、
やはり手術と人工肛門を奨める――
「手術は避けたほうが賢明だ」という
大学病院の医師はたったひとりだけだったそうです。
ただ、この大学病院は北陸の方にあるので、
東京にそういう先生がいないかと、
また探しまくったわけです。

とにかく、いくら転移が危ない、危ないといわれ、
人工肛門の手術が進歩し、
人工肛門の器具が改良されたと説得されても、
その後のライフスタイルを考えれば、
女性としてはおおいに悩む、
治療の選択、
人生の選択に立たされてしまったことになります。

でも、ここでめげないところが、
この奥さんの賢いところでした。


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2004年11月3日(水)

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