元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第923回
「こころも数値化する」?

帯津良一&大須賀克己・共著
「ホリスティック・カウンセリング―心を癒して体を治す」
(春秋社)の話の続きです

この本の注目すべきことは、
東洋医学の立場からだけでなく、
西洋医学のあらゆる医療分野から、
「こころの医療」に役立つものを分析し、
徹底的にアプローチしていることです。

ホリスティック医療の権威、
帯津良一博士はもともと外科医でありますから、
患者の治療設計には、
西洋医学と東洋医学を結合させた手法を
患者の状態に合わせて
組み合わせておられます。

もちろん、気功の名手であり、
漢方薬の処方も早くから取り入れていますが、
それだけではありません。
サイモントン療法という心理イメージ療法、
またホメオパシーといった同種療法など、
いま欧米で注目されている
代替療法も積極的に取り入れ、
まさに、ガンの患者に対して、
人間丸ごとの医療システムで
全力を尽くして向き合っている姿が、
この本を読むとよくわかります。

本書で触れられている「SAT療法」という、
もっとも新しいイメージ療法などは、
多くのガン患者には興味津々の情報でしょう。

筑波大学の宗像恒次教授の開発した
「イメージ連想と退行催眠を柱に、
 過去、現在、未来の潜在恐怖記憶を取り除くことで、
 がんを克服するプログラム」で、
帯津良一博士も協力しているそうです。

また、遺伝子解析の権威、
筑波大学の村上和雄名誉教授も協力者だそうで、
このSAT療法のイメージ療法が、
「ガン抑制遺伝子にどう役立つか?」についても
研究しているそうですから、
これまで、あいまいにされてきた、
「こころの医療」も、
科学的に解明される端緒になりそうです。
帯津医師の言葉を借りれば
これから「こころの数値化」による立証も
始まるというのですから、
医師だけでなく、
多くのガン患者が期待したいところでしょう。

こうした「共生の医療」のシステムが確立するのは
もちろん、多くの障害が現実の医療界には立ちはだかり、
まだまだ時間がかかるわけですが、
ガン治療の現場では
多くの患者が、
いまの西洋医学の限界を超えた、
トータルな医療を持ち望んでいるわけで、
帯津博士をはじめとした医師たちの
「ガン治療革命」への努力に
大いに期待したいところでしょう。


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2005年3月7日(月)

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