元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第922回
「縁」を科学的に解明する

帯津良一&大須賀克己・共著
「ホリスティック・カウンセリング―心を癒して体を治す」
(春秋社)の話の続きです。

おふたりの著者が信奉する
統合医療、ホリスティック医療の基本的な考え方は、
「からだとこころの共有の場」として、
人間のいのちを捉え、
いま見過ごされている
「こころの治療」を見直していこうと言うものです。

しかし、大学病院の現場の大半の医師たちは
こうした治療法を
「非科学的、立証性のない、いかがわしい医療」
といって認めません。
ですから、
ガン患者は、この現実のガン病棟のギャップにも
悩まされることになります。
いったい、どちらの治療を信じたらよいのか?

もちろん、一方で、
大学病院の通常治療以外の治療=
代替療法の中には、いかがわしい商法もあり、
また、こうしたものの効用を
オーラだ、奇跡だ、縁だ、運だと、
ただ単純にオカルトっぽく有難がる人もいます。

しかし、この
「ホリスティック・カウンセリング―心を癒して体を治す」
(春秋社)は、
新しい意味で「科学的」手法でアプローチしていることに
注目すべきなのです。

これまでのように、
漢方、気功などの東洋医学からだけでなく
いま欧米の西洋医学界でも注目されている
ホメオパシー療法や心理療法などの理論と臨床例を挙げ、
さらに医学の枠を超えて、
生命の根源的な仕組みを、
物理学、量子力学、生物学、哲学などからも、
徹底的に解明分析していることです。
詳しく分析していることです。

たとえば、大須賀克己さんは、
量子力学の素粒子理論から
「心と物体はミクロの世界においては同じ」
「物質と心は大きな宇宙から見れば同質」
という立場をとり、
からだとこころはお互いに影響しあうものだと
カウンセリングの必要性を説いています。
また、東洋思想の「霊魂」「縁」といった
あいまいな概念も、
カリフォルニア大学のF・カプラ物理学教授らの説、
英国の科学者ラヴロックの「ガイア仮説」、
さらに有名な心理学者ユングの
「共時性」理論などを引用して、
やさしく解き明かしています。

その上で、適切なカウンセリングのあり方を
提案しています。
「困難な問題を
 すぐに解決する手立てを得るのも一つですが(略)、
 さまざまな『縁』をできるだけ大事にして、
 一見無駄なような人との出会いや出来事であっても
 意味のあることだと思い、
 自然に受け取れるようになることも大切です」

どうです? 
もうひとつの新しい医療とは、
まさにホリスティックで、人間丸ごとの
いのちの医療だと思いませんか?


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2005年3月6日(日)

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