元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第930回
ライブドア事件!やはりテレビは「バカの鏡」?

前回、「週刊Qさん」と
「月刊帯津さん」という呼称を使って、
かたや「お金の神様」邱永漢さん、
かたや「いのちの仏様」帯津良一医師が、
「いのちとお金」の原則を
いかに大切にして人生訓を残しているか?
その著作活動について書きました。
そして、世間の判断基準というモノサシが
壊れてしまったいまこそ、
時間を割いてでも、このお二人の著書を読んで、
頭をクリアにした方がよいですよと奨めてきました。

ところで「お金の原則」といえば、
いま、毎日、マスコミをにぎわしている
ふたつの問題がありますね。
ひとつは、西武グループの総師・堤義明前社長の逮捕事件。
もうひとつは、ライブドア・堀江貴文社長の
ニッポン放送株買収事件です。

そして、老若男女を問わず、
西武事件よりライブドア事件に
世の関心が集まっています。
なぜか?
別に、「業つく爺さんのような老オーナー」と、
「漫画のドラえもんのような青年社長」を見比べて、
通称“ほりえもん”こと、
ライブドア・堀江貴文さんの方が、
タレント性がある、親近性があるからと、
みんなが判断したからだけではありますまい。

ずばり、堀江貴文さんという青年は、
企業乗っ取りとか、外資攻勢とか、
これからインターネット金融システムを通じて、
日本のマネー市場に続発するであろう、
「お金の原則」「経済の原則」の将来像――という
根源的な問題をつきつけたからこそ、
上へ下への大騒動となっているのです。

さて、企業乗っ取りの渦中にさらされている
テレビ界がこぞって、
わが身の微妙な立場も振り返ることもなく、
バカ騒ぎ報道をしている姿を、
あなたはどう感じているでしょうか?

テレビ・キャスターたちは、口を開けば
「こっちが勝った! あっちが負けた!」と、
まるでスポーツ観戦といった低レベルで騒ぎ立てます。
とくに、最近のテレビのコメンテーターはひどい。
「芸能タレント組合」じゃないかと疑いたくなるほど。
同じ顔ぶれの芸能タレントや
それこそ「お金の原則」など分かっていない、
にわか評論家が総登場して、
経済事件にも口を出す。
「ハハハ、株って面白いんですね」などと
アホ丸出しのコメントをして平然としています。
とうとう、地元の利権しか眼中にない、
古狸のような政治家まで登場させて
「すべてがお金で出来るという風潮は困りモノですな」
などと、テレビ画面に大写しするとは何をかいわんやです。

まえに、HiQのコラムで、邱永漢さんが、
「私はテレビはニュース以外の番組はあまり見ない方ですが、
 外国から帰ってきて、たまたま家族のつきあいをして、
 ゴールデン・アワーの番組を覗くと、
 『なんで、こんなことになってしまったのだろうか』と
 舌をまくような愚劣な番組の横行には
 一驚も二驚もしてしまいます。(略)
 『バカの壁』という本がベスト・セラーズになりましたが、
 テレビは『バカの鏡』ではないでしょうか」
と書いておられましたが、
まさに、邱永漢さんの軽妙な筆致による一喝が、
この事件にも通用しそうですね。
経済ニュース番組までが、
『バカの鏡』になりさがってきたわけです。
堀江貴文という31歳の青年社長は、
これからのメディアの「お金儲けの原則」にも
問題を投げかけていると思いませんか?


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2005年3月14日(月)

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