元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第987回
“ドクハラ医師”、大学病院に乗り込む

4月末、久しぶりに
僕たちの患者会=「スローヘルス研究会」
春の談話会が開かれましたので、
そこで話題になった話を、
少し紹介しておきましょう。

患者本位の
セカンドオピニオン相談所・
キャンサーフリートピアを主宰している
土屋繁裕医師の書き下ろし
「肺ガン ガイドブック」という大著が、
ちょうど発売され、
また拙著「天仙液 ガン治療革命」
出版された直後でしたので、
この本を参加者の皆さんにプレゼントし、
当日のテキストとして使ったわけです。

土屋医師の新著「肺ガン ガイドブック」については、
このコラムでも前に内容紹介をしましたが
こと肺ガンに関しての
「可能な限りの治療法」を解説しただけでなく、
ともすると、大学病院などで見捨てられがちな、
「再発ガン」の患者に勇気をもたらす、
心強いメッセージが詳しく書かれているのが特徴です。

「再発ガンとの闘い方に関する私の大原則は、
 『焦らず、慌てず、諦めないで、がんばり過ぎない』です。
 (略)
 つまり再発ガンの治療では、
 一本勝ちは狙わないで、引き分けを狙うべきなのです。
 相撲にたとえれば、ガンとがっぷり四つに組んで
 土俵中央で動かなければいいのです。
 たとえガンに押されて得俵に足がかかっていても、
 押し出されなければいいのです。
 逆にガンを押し出そうとしたり、
 ブン投げようなんて考えないことです。
 これが再発ガンに対する理想的な戦い方です。
 現在の医療では100%保障できるものなんか一つもありません。
 でも逆に100%ダメということも絶対にないのです」

として、自らが治療に使っている、
分子標的抗ガン剤のイレッサの少量投与法、
さらに自己ワクチン免疫療法といった
新しい再発ガンへの治療法を紹介し、
さらに、医師は威張りかえっているのではなく
「患者から学ぶ」姿勢が大切だと、
医師の倫理についても力説しています。

まず、この日のスローヘルス研究会では、
土屋医師の最新ガン治療事情の話から始まりました。
ご存知のように土屋医師といえば、
「ドクハラ」=ドクターハラスメント
(医師による患者虐待)という新造語を作って、
新しい医療のあり方に警鐘を鳴らしたことで有名です。

多くの大学病院からは、
その毒舌が煙たがられる存在ですが、
最近は、ガンの医療過誤をどう防ぐか?
現場の医師の教育をどうすべきか?
こうした問題について、
積極的に対応しようという大学病院も
いくつか出てきたというのです。

「僕もよく講演に呼ばれますが、
 最近、立て続けに
 大学病院からスピーチを頼まれたのにはいささか驚きました。
 ま、現場で忙しい医師が
 専門外の新しい治療について勉強しよう、
 患者の対応の仕方を学ぼう・・・
 こうした努力や傾向は喜ばしいものですがね」

ところが、大学病院に乗り込んで驚いた、
現場の医師たちの勉強不足が予想以上にひどいのには、
いささか呆れた・・・というのです。


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2005年5月10日(火)

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