元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第990回
『よく学び、よく学ぶ』

4月末に開かれた「スローヘルス研究会」の
春の談話会で、土屋医師が提起した
「近頃の医師の勉強不足は困ったものだ」
という話の続きです

土屋医師、そして「週刊金曜日」の社長、
黒川宣之さんに続いてスピーチにたった、
翻訳家の藤野邦夫さんの体験に寄れば、
「大半の教授や医師が、
 原書で欧米の医学書を読めない」・・・
だから、最新の学会情報など
わかっていないのが現実だというのですね。

「せいぜい、翻訳書で勉強している医師は
 まだ良質な人たちです」というのです。
最新の医療情報に原語で触れている、
藤野さんならではの「患者からの告発」ですから
説得力がありますね。
みなさん、どう思いましたか?

ちなみに、独自の放射線医として、
多くの著書を書いている慶応大学の近藤誠医師が、
「医者たちの英語力は低くて、
 英語の文章を読みこなせないことは事実です。
 それでも日本語の論文を読めばいい方で、
 病院に出入りする製薬会社の社員が置いていく
 薬の宣伝文章を読むだけで
 薬を実際に処方する医者が少なくない。」
と、指摘している著書を読んだことがありますが、
これだけ生活習慣が複雑化している長寿社会のいまこそ、
とくにガン治療現場の医師たちは、
旧態依然とした治療マニュアルに、
ただ固執するだけでなく、
新しい知識への挑戦を怠ってはならないと思います。

昔、ある新聞に掲載された、
大学病院元院長の
「医学生に与える檄」といった、
コラム・メッセージを読んだ覚えがあります。

「医師の知識不足は許されない。
 知識不足のまま医師になると、
 罪のない患者を死なす。
 知らない病名の診断は不可能だ。
 知らない治療を出来るはずがない」

「こんな医師になりたくないなら、
 『よく学び、よく遊び』は許されない。
 医学生は『よく学び、よく学ぶ』しかない」

こんな内容だったと思います。
別に、個々の医師を責めるわけではありませんが、
ことガンに携わる治療に挑戦した以上、
初心を忘れずに
医師たるもの「よく学び、よく学ぶ」ことを
貫いてほしい・・・
これは医学界の内部での金言ではなく、
多くの患者からの期待でしょう。

なぜって、
僕たち、スローヘルス研究会の仲間のように、
ガン患者の一人一人が、
この情報社会の中で、
人一倍、わが身の命を守るために
「よく学び、よく学ぶ」を、
日ごろから実践しはじめているからです。


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2005年5月13日(金)

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