元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第989回
医師の勉強不足には困ったもの・・・

4月末に開かれた「スローヘルス研究会」の
春の談話会で土屋医師が提起した
「近頃の医師の勉強不足は困ったものだ」
という話の続きです

さて、当日の僕たちの研究会には、
まえにも紹介した
「週刊金曜日」の社長で、
前立腺ガン、胃ガン、大腸ガンと
3つのガンと闘っている
黒川宣之さんも出席して、
土屋医師の問題提起について持論を述べ、
大いに論議が湧きました。

黒川さんは、自らの10年にわたる闘病体験から、
いま「多重ガンに見舞われて」という
体験的治療学を「週刊金曜日」誌上で
長期連載をしているわけですが、
その第12回では、
23日間入院して、
前立腺ガンの手術を受けた自らの体験と、
最新治療の前立腺ガン・ブラキセラピー療法で、
たった3泊4日で退院してきた、
患者・藤野邦夫さんのケースを比較して、
「ガン放射線治療の実態」を報告しておりました。

「前立腺ガンだけでなく、
 舌ガンや食道ガンでは、
 手術より放射線のほうが治癒効果が上がっている、
 そればかりか患者のQOL(いのちの質)が
 保たれるといわれ、
 欧米では、こちらが治療の主流になりつつあるのですが、
 日本では、この分野の勉強が遅れている。
 全国26万人、医師がいるのですが、
 日本放射線腫瘍学会が認定した
 放射線の専門医がたった455人というのが現状なのです」
と、医師個人はもちろんのこと、
医師界全体の最新治療への対応の遅れ、
つまり「勉強不足」を指摘されていました。

さらに、日本の医師の勉強不足といえば、
黒川さんのレポートに登場した
翻訳家の藤野邦夫さんも続いて、
「医師の勉強不足がいかにひどいか?」・・・、
欧米の医学論文に絶えず目を通して、
最新医療本の日本語版を出版している立場から
会場で報告しました。

「前立腺ガンが発見されたとき、
 幸運にも、その1ヶ月前に、
 日本でもブラキセラピーという
 小線源療法という
 放射線の小さなカプセルを
 患部に埋め込む治療が認可されたのを聞き、
 こうして後遺症もなく元気に過ごしているわけですが、
 そのとき、何人もの知り合いの泌尿器科の教授や医師に
 『手術とブラキセラピーとどっちの選択がよいのか?』と
 聞いて回ったのですが、
 『ブラキセラピーって何じゃい?』って、
 ほとんどが知らかったのにはびっくりしましたよ」

「教授などというと、
 やたらとゴルフやカラオケ、宴会については詳しい。
 でも、肝心の最新医療についても
 もう少し、勉強して
 詳しくなってほしいものですよね。ハハハ」と、
冗談めかして話していましたが、
なかなか真実をついた話だと思いませんか?


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2005年5月12日(木)

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