元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1005回
ガン対策本部! 厚生労働省を疑う

いまのガン医療は患者無視もはなはだしい、
地域や施設によって専門医が足りない、
未承認薬が多すぎる・・・などなど
日本のガン医療システムは
アメリカに比べて四半世紀は遅れている
という話をまえに書きました

「がんと共に生きる会」などの 
患者サイドからは数万人の署名運動も起こり、
ガン政策の遅れは、
「政府に司令塔がない」ことが元凶だと、
しきりと追求され
遅まきながら、2004年4月より、
ガンの罹患率と死亡率の激減を目指す
「第3次の対がん10か年総合戦略」が、
国の事業として開始され、
やっと、この5月に
「がん対策推進本部」が
厚生労働省に設置されたようです。

「ようです」などと
他人事のように書いてしまったのは、
その「がん対策推進本部」の構成メンバーを見れば、
とてもとても
「患者本位のガン医療システム」構築しようという
意気込みなど感じられないからです。

みなさんも、ときには、
厚生労働省のホームページを開いて見ましょう
こんな告知が数行出てきます。

「がん対策推進本部」の設置
1.設置
  がん対策については、発症予防、検診、
  治療、緩和ケアなどの
  がんの病態(ステージ)に応じた
  部局横断的な連携が求められることから、
  がん対策全般を総合的に推進するため、
  がん対策推進本部を設置する。

2.構成員
  ●本部長・尾辻厚生労働大臣
  ●本部長代理・西厚生労働副大臣、森岡厚生労働大臣政務官
  ●副本部長・厚生労働事務次官、厚生労働審議官
  ●本部員・技術総括審議官、医 政局長、
   健康局長、医薬食品局長、労働基準局長老健局長、
   保険局長、国立がんセンター総長、
   国立がんセンター運営局長

あなたは、この顔ぶれを見てどう思いますか?
厚生労働大臣以下、担当の役人が、
ただ名前を並べて世の「批判」をかわす、
「役所の作文」と思いませんか?
やる気のなさがありありと出ていると思いませんか?

早急に「官、医、民」の知恵を総結集した
「ガン医療システム」が構築されないと、
ガンによる死亡者は、
30万人、40万人、50万人と
激増していくであろうことは
間違いないわけで、
この「統合本部」に期待しろといわれても、
とても無理のような気がしてなりません。

メンバーの最後尾に、
国立がんセンターのトップが
とってつけたように名を連ねるだけ。
全国の臨床医はもちろん、
苦悶する患者の意見を代弁する人材がまるで見えないのです。
年金や介護問題だけでなく、
「ガン総合対策」についても、
役人には患者の痛みが分かっていないようです。
「厚生労働省を疑う」と思っているのは
僕だけでしょうか?


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2005年5月28日(土)

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