元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1008回
「奇」なる長寿法

70歳、80歳を超えた、
健康上手、長寿上手の先輩たちと会うことは、
じつに楽しいというか、
勇気をもらえるものだと思います。

それも、体の衰えをものともせず、
食事法、呼吸法、はたまた自分に合った
サプリメントや漢方薬で維持するだけでなく、
いまだに、頭脳の衰えを知らず、
長年培ってきた、自らのビジョンというか、
ロマンの世界を実業となし、
精神的にも充実している人こそ、
本当の「健康人」なのですね。

先日、講談社という出版社の元常務であった
内田勝さんの
「70歳、古希を祝う」パーティに出かけてきました。
内田さんは、僕の敬愛する
ジャーナリズムの先輩のおひとりですが、
40年前、漫画雑誌の草創期に、
『週刊少年マガジン』を100万部にした、
この業界では伝説の人です。

いま、70歳といっても、
他にぬきんでて長寿というわけではありませんが、
内田さんの凄いところは
体の健康を貫いてきただけでなく、
『週刊少年マガジン』時代から培ってきた、
漫画の持つ「奇なるロマンを売る」という、
強い信念を貫いきたことでしょう。

信念などというと、
誰でも心に思い抱き続けることは出来ますが、
そのロマンを実業化し続けることは至難のワザです。

内田さんは、いち早く、
雑誌メディアの世界に見切りをつけて卒業すると、
一転、デジタル・メディアの世界に転進。
70歳を超えて「アニマックス」という
アニメ漫画を配信する、
テレビCSチャンネル会社の顧問というか、
実質的なプロデューサーを
嬉々としてこなしているのです。

タフさには、いつも舌を巻いているのですが、
そのヒケツを聞いてみると、
どうやら「人生は“奇”を貫く」・・・
この発想法にあるようなのです。
「奇なる発想」こそ、
長寿法=心身健康のエネルギー源だというのですね。

内田さんには、10年ほど前に書き下ろした
「奇の発想」(三五館)という名著がありまして、
100万部を達成した時代の
『週刊少年マガジン』編集長の回想記です。
懐かしの名作漫画「8マン」「あしたのジョー」などの
誕生秘話だけでなく、
すでにテレビ・ゲーム、携帯電話、
インターネット、多チャンネル・テレビの実用化の時代を予言。
その信念を貫いて、新しい実業をものにしたわけです。
この「アニマックス」チャンネルの契約件数は
500万件突破を目前としているそうです。

60歳、70歳、80歳というと、
確かに体の衰えは隠せません。
忍び寄るボケをぼやきたくなるものです。
ま、悠々自適のゴルフや孫自慢で隠遁しがちとなります。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」
という諺がありますが、
「奇なる70歳」=内田勝さんを見ていると、
この「逆も真なり」で、
「健全なる身体は健全なる信念が培う」
といいたくなるのです。


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2005年5月31日(火)

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