元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1018回
中高年雑誌って売れるの?

団塊の世代800万人のうち、
就業者500万人が、
2007年〜2009年の間に
どっと定年を迎える
「2007年問題」の話の続きです

もう一つ、定年退職者のアンケート調査を
挙げておきましょう。
野村総合研究所の
2004年〜5年以内に定年を迎える人を対象にした
インターネットリサーチ、
「定年退職後の就業意識」に関する
アンケートによると、73%が
「仕事を続けたい」と答えています。

再就職者サイドから見れば、
受難の時代と見えますが、
逆に、2007年問題こそ、
中高年市場・巨大マーケットを狙うビジネスチャンスだと
大騒ぎもしているわけです。

介護産業、健康産業、リクルート産業が賑わい、
そして、僕の仲間たちが多い、
メディア産業でも、
50代、60代の読者層をターゲットにした、
シニア雑誌、中高年雑誌の創刊が相次いでいます。

「60歳からの再就職は、
 エルダー市場としての巨大なマーケット。
 団塊の世代が50代になり、
 成人人口のエルダー層の比率が半分を超える」
というわけで、
「サライ」「大人の隠れ家」「オブラ」「一個人」といった
雑誌が出ていることは
みなさんもご存知のとおりです。

ビジネス系やら健康系やら、趣味、生きがい系まで、
僕の後輩たちにも、
何人かが中高年雑誌の創刊編集長になり、
コラムの原稿を頼みに来ました。
ところが、50歳以上、5000万人の時代といっても、
市場の目論見と
現実とはかなりのギャップがあるようなのですね。

創刊誌も次々出ましたが、
1号、3号、半年で廃刊する中高年雑誌も
続出しているのです。
やはり、50歳、60歳になると、
雑誌購読者は激減するのですね。
原因は、年をとると
目が悪くなるからだという人もいれば、
作っている現場の編集者が若い人で、
とても読むに耐えない内容だと指摘する人もいます。

ある中堅出版社の局長に聞いて見ますと、
この出版社も50代から読む月刊誌を出しているのですが
「この手の雑誌で5万部も出ればいいほうですよ。
 50歳も過ぎれば、大抵の人が、
 すでに自分で定年後を設計しているでしょうから、
 こうした雑誌から、
 年金だ、財テクだ、健康法だと勉強する人は
 よほど人生設計の遅れた人になりますからね」
と、本音を教えてくれました。
なるほど、中高年マーケット、定年層市場は
数字の上では大きいわけですが、
どうも、いわれるほどうまくいかないというのです。

ところが、半年前に集英社という出版社を
無事に定年退職した栗田晃一さんという友人が、
「僕もシニア雑誌を創刊します」と
創刊準備号を一冊持ってやってきたのです。


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2005年6月10日(金)

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