元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1044回
ガン治療と“運”について

日本医学ジャーナリスト協会名誉会長の
宮田親平さんの新著「ガンというミステリー」
という本を読んだ感想の続きです

宮田さんは、研究者の立場から、
ガンそのものと、ガン治療開発の歴史、
さらに治療とギャップについて、
ガンに関わる、
あらゆるミステリアス性について書き下ろしていますが、
とくに、「現実の治療とギャップ」について、
読む患者は大いに認識しておくべきだと思います。

宮田さんは、この本の中で以下のように述べています。
「もし、センチネルリンパ節診断が
 有効であることが分かったら、
 それまで転移していないのに
 胃を全摘出された患者は
 取られ損だったのか、ということになるが、
 これは医学がその当時進歩していなかったのだ、
 少しでも転移を防ぐために
 やむをえなかったのだ、という以外にない。
 そういう意味では、患者が受ける治療は、
 そのときにどれだけ
 医学が進歩しているかという、
 運によるしかない」

「がん遺伝子の研究の発展で、
 いつかは人類ががんから救われる日が
 くるかもしれないが、
 将来人類が救われるということと、
 いま目の前の患者が救われるということは、
 別なのである」

まえに、ガン友で、週刊金曜日の社長である、
黒川宣之さんと、
「その時代の医療の進歩と、
 治療を受ける患者のめぐり合わせや、
 運、不運について」
しみじみと話し合ったことがありますが、
“秒進分歩”といわれる研究開発の中で、
患者にとって、その治療とのめぐり合いは
まさに人生の“運”を分けるものとなるわけです。

しかし、あきらめることはないでしょう。
宮田さんも、このギャップに触れながらも、
患者別、症状別の
オーダーメイド治療への可能性について
期待を込めて書き終えているのが印象的です。

僕も宮田さんとは立場の違う、患者学サイドから、
「帯津良一のがんに打ち克ついのちの手帖」
「天仙液 ガン治療革命」という本で、
「Simple Type(単純形式)ではなく、
 Complex Type(複雑形式)に克つことが、ガン治療のコツだ」
「1+1=3にも4にもなる付加価値の高い、
 患者らしい統合医療を設計すべきだ」と
書いてきましたが、
もし、不幸にもガンの宣告を受けたら、
あきらめたり、他人任せにするのではなく、
患者と家族が協力して
「ガンのミステリー」に立ち向かうことが
大切だと思います。

なんども繰り返しますが、
「よく学び、よく学ぶ」
これは人生の“運”も変える
大事な「延命のコツ」だと僕は思っております。


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2005年7月6日(水)

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