元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1152回
人工肛門はイヤ!

ただいま、夕刊紙「東京スポーツ」
「スローヘルス最前線報告−ゆったり治療で生き残れ」
というコラムを日刊連載中ですが、
この日刊連載を読みそこなった読者のために、
患者や家族のみなさんに、参考になりそうな部分を
もう少し、抜粋して紹介しましょう。

《第9回 人工肛門はイヤ!「切られ損」をまぬかれた奥さん》
という章に登場する、僕の友人の奥さんについては、
まえにこのコラムでも紹介したことがありますが
2年目を過ぎて、玄米菜食などのスローヘルスな養生法も
効を奏したのでしょう、
元気で、バリバリと、ご主人の稼業を手伝っていますから、
まさに「ガンはあきらめてはいけない」という
好例のエピソードとして、
新聞連載にも取り上げました。

          *

筆者は、食道ガンの大手術の直前、
術後後遺症で死ぬかもしれないと悟って、
大学病院をまるで逃げ出す如くに退院しました。
まさに「切られ損」の手術を避けて延命したのですが、
僕たちのメンバーにも
こうした体験を持つ仲間が何人もいます。

大腸カルチノイドという腸壁の粘膜下にできた、
やっかいな腫瘍を抱えた親友の奥さんのケースです。
「大腸の切除手術で、
 人工肛門(こうもん)になるのはどうしてもイヤだ」
と考えて、
いろいろセカンドオピニオン(第2の医師)を
探しまくった結果、
とうとう、体に優しい治療を施してくれる
外科医に出会ったのです。

ともかく、50歳、60歳を過ぎると、
大腸、直腸ばかりか、前立腺や膀胱といった
泌尿器疾患に見舞われ、
切除手術の結果、排泄器官まで失って、
人工肛門、膀胱パウチ(腸管代用膀胱)をつけ、
生活の不便を強いられることになります。
働き盛りの世代にはとくに厄介なものです。
術後の生活の質を考えると
大きな精神的な負担がのしかかります。

人工肛門(ストーマ)どんなものでしょうか? 
腹壁に穴をあけ、
引き出した腸の一部に特殊な装具を張り、
そこに「パウチ」とよばれる集便袋を取り付けて
排便する仕組みをつくるものです。

最近は人工肛門も患者のQOL(命の質)を考えて、
防臭性の素材が使われたり、
皮膚への刺激が少ない皮膚保護剤が開発されるなど、
工夫されているといわれますが、
ただストーマには括約筋や
便意を支配する神経がないので、
ガスの放出、便の排出は
いつあるかわからないといった不便さはぬぐえません。

親友の奥さんはどうしても
「切らずに治す」治療法を探しまくったわけです。


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2005年10月22日(土)

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