元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1168回
「ゆったり往生」とは

スローヘルスとは、
ただの健康法キーワードではない、
処世の知恵としても役立つと、
以前書きましたが
さらに、死の恐怖も乗り越える死生観、
いや「生死を越えた人生観」にも
つながる発想と考えています。

僕には、スローヘルスで延命してきた、
たくさんの仲間がいます。
しかし、真摯に死と向かいながら、
残念にも人生途上で
「さよなら」をした同輩や先輩もいて、
この人たちからも多くのことを学びました。

65歳で、肝臓ガンで亡くなられた
テレビ関連会社の会長さんの
ご遺族からこんなメールを頂いたことがあります。

「生前、あなたのメールに
 本人は本当に励まされていたようです。
 有難うございました。
 病床に残した制ガン輸入薬の封も
 切らないうちに逝ってしまいました。
 ぜひ、あなたに差し上げて長生きして欲しいと
 言葉を残しておりました」――、

己の人生を納得したうえでの
遺言だったのでしょう。
この慈愛に満ちたメールが
天国から送られてきたようで、
マウスを握る手が
思わずカタカタと震えたのを思い出します。

同じく65歳の食道ガンの母親を
看取った娘さんのメールには
「母の遺言で
 『灰の半分をインドのガンジス川に流してほしい』
 ということだったので、
 インドに行ってまいりました。
 その後、程なく妊娠しまして
 8ヶ月の身重の状態です。
 どうも母の魂が宿ったように思われてなりません」
と書かれていました。

まえにも書きましたが、
僕の主治医の帯津良一医師は科学者らしく、
仏教で説く輪廻に想いをめぐらしつつ、
わが命もビッグバン=
宇宙創生の150億年を駆け巡る
生命エネルギーの旅なのだろうという持論を
著書に書いておられます。

わが命は生命40億年の大河の一滴――
わが命は宇宙自然の中の小さな命――
そう感じたときにサムシンググレート? 
母なる大宇宙?
人間は大きな命に包まれた
温かさを覚えるのではないでしょうか?

母に抱かれた赤子のような
気持ちになるのではないでしょうか?
それを神、仏と崇める人もいるでしょうが、
僕自身にしても、
“わが命は40億60歳”という
宇宙自然エネルギーの一体化の発想に目覚めたとき、
あれだけ不安で仕方なかったガン闘病法が、
じつにゆったりとしたものに変わっていきました。


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2005年11月7日(月)

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