元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1256回
ライブドア事件と“魔女狩り”

何回か前に、
近刊拙著「風水でいいことがたくさん起こる本」
「ライブドアと六本木地霊」の相関を予言したところ
(56頁〜)
“どんぴしゃりと的中したのには驚いた”と、
読者から反響メールを頂いたと書きました。

「関根さんが風水本で予言・警告どおり、
 六本木のライブドア、やられましたね。
 お陰で株式市場、大混乱・・・。
 六星占術より、中国風水が的を得た♪」(長崎の女性読者)

「ライブドア事件を見ていると、
 戦後、未曾有の急成長を遂げ、わずか1年で崩壊した、
 ヤミ金融「光クラブ」事件を思い出しますね。
 26歳の東大生は
 「人生は劇場だ。自分はそこで脚本を書き、
 演出し、主役を演じる」と豪語したようですが、
 釈放後、数ヵ月後に自殺したわけです」(東京の男性読者)
といった感想です。

ともかく、さすが、
お金の達人を目指すHiQの読者だけに、
この事件に対する反応は敏感でした。
シスオペ氏の調査によると、
僕のコーナーのヒット数が
普段の倍以上も上がったそうです。
ま、1日10万ヒットという、
人気サイトのHiQですから、
その後も、いくつかの感想メールや手紙が続いています。
それも、風水学予言に興味があるのは男性より女性読者で、
じつに、その反応に柔軟があって興味深いものでした。

『風水でいいことがたくさん起こる本』を買ってきたら、
 女房が横取りして、早速、溺読。
 『六本木ヒルズのこと』、『ライブドアのこと』
 貴著の洞察力に感嘆していました。
 私もやっと、年初のあいさつ回りも終わりましたので、
 じっくり読ませていただきます」
(東京の広告会社・男性幹部)

「あれほど“ほりえもんの英雄記事”で埋めてつくしていた
 新聞やテレビが手のひらを返したように、
 今回の国策型捜査で、ほりえもん叩きに一変したのは、
 まるで中世の“魔女狩り”のようでしたね」
(神奈川の女性読者)

「私も家事の合間にデイトレードをやっているのですが、
 じつは、ライブドア株で小遣い程度、
 儲かったことはあります。
 同じようなマネーゲームで儲けた人は、
 これまでもたくさんいるのに、
 その人たちは急に口をつぐんでしまったのもおかしいですね。
 とっくの昔に、株式って、自己責任であることぐらい、
 個人投資家なら誰でも常識です」
(デイトレード歴2年の女性読者)

なるほど、女性のしなやかな発想の方が、
この混迷する社会を見る目が、
本音に迫っているように思えます。

なんども繰り返しますが、
欧米借り物のビジネスモデルとマネーゲームを導入し、
その「リターン」ばかりに目を奪われ、
「リスク」を省みなかった、
この国のゆがみの欠陥が、いま噴出しているわけです。
コンプライアンス(企業倫理)、
個人情報保護、そして国際規準・・・、
こんな借物思想だけで
「制度と法律」をいくらたくさん作っても、
これからの「デジタルな国のかたち」は出来ないでしょう。

アナクロな話で恐縮ですが、近代経済を支えたのは、
「論語とそろばん」といった、
日本人らしい柔軟な発想があったからだという学者がいます。
「論語とデジタル」とはいわないまでも。
いまこそ「己の欲せざるところは人に施す事なかれ」――、
それくらいの信頼の原則は、ほりえもんタイプの社長族も、
政財界の幹部も躊躇なく率先して実践してみせるべきでした。

しつこいようですが、日本とアジアの風土に根ざした、
「社会環境場つくり」の思考を見直すべきです。
そのひとつのヒントを風水環境学が秘めていると思って、
僕は風水本を書いたり、東洋学の研究をしているわけです。
もちろん、日本人が憧れ(?)の幻想を抱いている
欧米社会にも、
「Do to others whatever you want them to do.」といって、
「論語とIT」「論語と政治経済」
「論語とビジネス」式の原則はあるからです。


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2006年2月3日(金)

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