元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1305回
80歳、病気知らず

いま発売中の季刊「いのちの手帖」創刊号は、
著名な作家やジャーナリストによる
「元気で長生き」のヒケツを語るスローヘルスな随想、
さらに、3年、5年、10年、15年と、
じつに賢く危機を乗り切ってきた
キャンサー・サバイバー(ガン生還者)のみなさんからの
いのちの体験記録を一冊まるごと収録した
“心のマッサージマガジン”だ――、
ということは何度も書いてまいりました。

ちなみに、ガン闘病体験録というと、
いかがわしい健康食品業者が捏造した?
“ガン・バイブル本”出版が事件となり、世の顰蹙を買いました。
また、新聞や一般雑誌に載る、
多くの闘病記も、
患者が喋ったものを記者の目でリライトするという、
いわゆる「第3者による語り書き」という代物が氾濫しています。
しかし、これでは、ガン患者や家族の思い、
人生観がほんとうに伝えられていないのではないか?
僕も多くの雑誌や新聞で取材を受けた体験から、
そうした不満と不安を抱いておりましたから、
今回、創刊した「いのちの手帖」では、
すべて、自らの手で書いて頂いた
「正真正銘の手記」だけを収録しようと考えたわけです。

それぞれに文章も工夫して頂きました。
おそらく、日本で始めて患者学的治療学の読本=
患者がほんとうのことを書き記す
“いのちの福音書となったと、ひそかに自負しているわけです。

いのちの体験録といいますと、
大半のメディアが「ガン宣告即=死」を強調したがり、
また、お涙頂戴式の同情ドラマに仕立て上げたがるものですから、
どうしても、現実の患者のみなさん、
ご家族のみなさんの気持ちとは
かけ離れているケースが多いものなのですね。
ですから、この雑誌に収録された
ひとつひとつの闘病録の行間には、
いのちの危機を乗り越えた方々だから知り得る
貴重な人生の知恵がたくさん詰まっております。
みなさんに、お読みいただくことはもちろんですが、
自らの体験に基づく寄稿、投稿もお待ちしております。

この雑誌に収録された「いのちの闘病記」は、
病に悩み、病に倒れた方だけの体験録だけではありません。
長寿難病時代を、さまざまな養生の知恵で乗り切った方、
いや、無病息災で過ごされている方もたくさんおられるわけで、
そうした人生の達人の方からのメッセージもいただいております。
80歳を超えた大作家・安岡章太郎さん、邱永漢さん、
鮫島純子さんなどのエッセイには、
しみじみとした奥深い人生の知恵がにじみ出ております。

もうひとつ、読んでいただきたいのは、
「80歳 病気知らず」という、
僕の先輩ジャーナリストで出版界のドンとも呼ばれる小石原昭さん、
(企画集団・知性コミュニケーションズ代表)のエッセイです。

小石原さんについては、風貌は入道のようで豪快だが、
じつに快活に人生を謳歌している柔軟な人だと
まえに紹介したことがありますが、
マスコミ界、政財界、学界、医療界・・・と、
八面六臂の忙しさの中でも
無病息災で80年を過ごしているヒケツは
「仕事の合間に養生する」という」のではなく、
「養生の合間に仕事をする」という逆発想にあるようなのです。

寄稿していただいたエッセイでも縦横無尽。
世界を駆け巡る1年間の行脚録が、
まるでさりげない”人生詩“のように語られ、
「要は、一日の、一週間の、一年の暮らしが、よくも悪くも、
 人の健康をつくるのでしょう。
 その毎日の暮らしの秘訣は、結局、わがままに生きる
 ということではないでしょうか」
と断言されているのです。
元気が出ることは間違いありませんから、
ぜひ読んでみてください。


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2006年3月24日(金)

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