元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1306回
「私公混同」のススメとは?

季刊「いのちの手帖」に掲載された
「80歳 病気知らず」という、
僕の先輩ジャーナリストで
出版界のドンとも呼ばれる小石原昭さん
(企画集団・知性コミュニケーションズ代表)
のエッセイの話の続きです。

マスコミ界、政財界、学界、医療界・・・と、
八面六臂の忙しさの中でも
無病息災で80年を過ごしているヒケツはといいますと、
「要は、一日の、一週間の、一年の暮らしが、よくも悪くも、
 人の健康をつくるのでしょう。
 その毎日の暮らしの秘訣は、結局、わがままに生きる
 ということではないでしょうか」
と断言されているのです。

くわしくは季刊「いのちの手帖」創刊号で
読んでいただきたいのですが、
長寿難病時代を自由自在、
いやに“自遊自在”に生き抜いている小石原さんですから、
企業経営指南の講演はもちろん、
あちこちの雑誌のインタビューにも追かけ回されています。

先日も、
「LIVING EXE」
(発行・リビングファースト・発売・毎日新聞社)
という雑誌の創刊号で、
「本物を知る――、一流を生きる」
というインタビューに登場しておられました。
若干27歳にして、総合月刊誌「知性」の編集長になり、
独立して出版界の名プロデューサーとして
成功を収めていく、そのヒケツと共に、
心身の健全さを保っていく
小石原さんらしい人生観=
元気で長生きのヒケツが興味深く語られています。

「公私混同はいけません。
 しかし自分が会社に入るまでの
 人生や私生活から生まれるよい発想は、
 公に、自分の仕事や会社のビジネスに活かしていくべきです」
というわけです。

「暮しが仕事、仕事が暮し」という
陶芸家・河井寛次郎の書を座右の銘としているようで、
対談の名手である小石原さんは、
月刊誌「財界」では「この人 いまの気分」という名物対談を連載。
それこそ、「暮しが仕事 仕事が暮し」を実践し、
「公私混同」ではなく、「私公混同」を貫いている、
政財界人、役人から文化人まで、
自分らしさに満ちた人たちを選んでゲストに迎え、
談論風発している内容は読み応えがあります。

ちなみに、小石原さんにはたくさんのヒット出版があります。
美食家であり健啖家。
そして、エルメスのブレスレットやグッチのバッグなど、
いま流行のブランドものなどは
40年以上前から愛用して知り尽くしていますから、
その“悠々たる暮らしぶり”をビジネスに変えて、
「世界の一流品大図鑑」や「男の料理」といった
ベストセラーを作ったことでは有名です。

まえに、82歳の邱永漢さんが
「これからはおじんファッションの時代」だとして、
アイビーやジーンズのコーディネートを
愉しんでいる話を紹介しましたが
小石原さんも負けず劣らずの“オシャレを愉しむおじん”です。
このインタビューの写真にも撮られていますが、
じつに洒落た中国風デザインのジャケットが似合います。
これは香港で有名な「上海灘」というブランドで、
季節ごとにデザインが変わりますので、
僕も愛用していますが、
ちょっとレトロな雰囲気で気分が斬新になります。

さて「先に“私”ありきの私公混同のススメ」――、
このユニークな発想法をあなたはどう思いますか?
自分を愉しむ、自分を偽らないという生き方は
言うは易いことですが、
80年貫く、さりげないパワーが長い人生の宝なのですね。


←前回記事へ

2006年3月25日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ