元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1309回
続・種がこぼれて仲間がふえる

いま発売中の季刊誌「いのちの手帖」から
多くの支援者が出ている=「種がこぼれて仲間がふえる」、
まさに全国ネットワークが広がっているという話の続きです。

小誌の「すべてにありがとう」という
エッセイ特集の巻頭を飾っていただいたのは鮫島純子さんです。
まえにも紹介したように、
独自の呼吸体操で心身を整え、
社交ダンスを楽しむだけでなく、
83歳にして、パソコンを覚える――、
とうとう、小誌にもオンラインで、
一番乗りで原稿を送ってくださった、
まさに「元気に長生き」を実践しておられる方ですが、
「もう少し、たくさんの方に贈りたいので、
追加をお願いします」とFAXをいただきました。

「この度は、創刊号“いのちの手帖”5冊、
 有難うございました。喜んで開き、
 帯津先生のお祝辞を赤線でうずめながら拝読。(略)
 何はともあれ、お目出度うございます」
知り合いのお医者さんや校長先生にも送りたいというわけです。

さて、その鮫島さんから、先日
「第4作目の本を出版しました」と
大型版の素敵な画文集が贈られてきました。
鮫島さんは、小誌の「希望を未来に 最期の迎え方」という
エッセイの中でも書いておられるように、
6年前に、食道ガンのご主人を
ゆったりとした自然療法で看取られてから、
ご夫妻で育んできた長い人生の知恵を後世に伝ようと、
いま執筆や講演活動に忙しくされています。
その処女作のタイトルは
「毎日が、いきいき、すこやか」――、
豊かになったはずなのに心は寂しい。
そうした気持ちを癒してくれる、
「おばあさんの知恵袋」が
たくさん書き綴られていましたから、
おばあちゃんのほのぼのイラスト・メッセージ集として
話題をまきました。

元気で長生き、トキメイて生きる・・・
その鮫島さんが、この春、新たに出版した画文集とは
「子育て、よかったこと、残したいもの」というタイトルで、
昔の子育てのよかったところを見直そう、
家庭の素晴らしさを次世代に伝えようという内容です。
83歳の著者が、自分の子どもころを思い起こし、
三人の息子さんを育て、六人のお孫さん、
二人の曾孫さんと接してきた日々を振り返ったものです。

電車の中での化粧や飲食、フリーターやニートの増加、
小中学生がおこす殺人事件・・・
目に余る惨事のうらで、僕たちが忘れてしまった、
日本人らしいよい習慣を見直すべきではないか?
「お行儀」「感謝の心」
「自然との付き合い」「他人に迷惑をかけない」
といった家庭教育のしなやかさこそ大切ではないか?
といったメッセージが、
やさしい絵と共に、あれこれと綴られていますから、
ぜひ、親子、家庭で読んでいただきたい一冊です。

ちなみに、ガンや心臓疾患といった難病も、
日ごろのストレスの積み重ねで起こるといわれます。
しかし、これからは、
ただメスや化学薬に頼るだけではいけません。
合理的な便利社会が長寿社会をもたらしたといえますが、
病原の複層化、世代格差の拡大・・・思いも寄らぬストレスが、
僕たち、そして家族の前に立ちはだかっているわけです。
温故知新が万能とはいえませんが、
もう少し、日本人らしい、しなやかさを見直すべきだと、
鮫島さんは、大切なメッセージを僕たちに伝えているわけです。


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2006年3月28日(火)

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