元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1332回
「信頼のいのちの広場」 を持とう

僕たちの提唱している「スローヘルス」の考え方には、
健康長寿のための予防と治療だけでなく、
しなやかな死生観についても考える
「いのちの人生設計養生学」なのです。
●スローヘルス=生命躍動型人生設計ライフスタイルの
研究・実践を目指すものと考えてください。

ですから、たしかに、いま流行の
●ロハス=環境型健康維持ライフスタイル
●スローフード=伝統食重視ライフスタイル
●アンチエージング=抗加齢予防医学ライフスタイル
といった考え方に共通するところがありますが
単なる健康法、美容法、予防法、治療法ではありません

いのちとは、個々の身体が生きている期間だけでなく、
宇宙誕生、生物誕生の始めから、
また、個人個人の死後も、
時空を越えて大きな流れでつながっているという、
大きな生命観に基づく、
いのちの人生設計学=ライフスタイルなのです。

といっても、論理を無視した宗教ではありません。
中国医学や東洋哲学のみならず、
西欧の哲学者ベルグソンや、
心理学者ユング、植物学者リンネなどの
メタフィジックな発想に基づいているものなのです。
大きな生命観を、ただ観念としてだけではなく、
一人一人が「からだ」「こころ」「いのち」の全体を使って、
気づき、日々、養生として実践していく考え方と思ってください。

たとえば、季刊「いのちの手帖」の中に、
「希望を未来に 最期の迎え方」
というエッセイの中で、
鮫島純子さんが、
80歳を過ぎて食道ガンに見舞われたご主人を
看取ったときのことを書かれています。
ご主人はこういわれたそうです。
「人生を充分に楽しみました。
 能力以上と思われることもさせて貰いました。
切ったり管だらけになったりしてまで
生き長らえようとは思いません。
あるがままに自然に死にたいと思います」と。
発病から1年半、家族団らんや旅行を楽しみ、
最期は医師のリンゲル注射もことわり、
“仙人”のように旅立たれたというのです。

僕は、人生の先達として、
また、同じ食道ガンに見舞われた患者さんとして、
鮫島さんのご主人の持つ、
大きな死生観にいつも感銘しているわけですが、
時空を超えた生命観を持つことは、
トキメキの日々、悔いなき人生を過ごすための
大きな支えとなるだけでなく、
死の恐怖を乗り越えて「自分はある」とする、
いのちの充実感をもたらすのではないかと思っています。
もちろん、鮫島さんやご主人の領域に達するには、
「自分の身体と心、そしていのちに責任を持つ」――、
しなやかな日々の養生実践の積み重ねが必要です。
また、一人一人はさびしいものですから、
スタンドアローンで生きることは誰にも不可能です。

家族、友人、心ある医師と協力して、
いまの時代ほど「信頼のいのちの絆」を作ること、
「信頼のいのちの広場」を持つこと、
これが大切なときはありません。
自分を取り巻く環境とよりよい関係を築く。
しなやかな人生設計養生の対応が
日々求められているわけです。
元気に長生き! ときめいて生きる!
毎日に生命の躍動を仲間と感じることは、
長生きするヒケツとしてもとても大切だと思って、
スローヘルスを提唱しているわけです。


←前回記事へ

2006年4月20日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ