元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1402回
ガンは「引き分け」でよい・・・

6月17日の市民講座
「ガン患者とアンチエイジング〜ゆったり長生き! 
スローヘルス(創延命)患者学のすすめ」で、
冒頭に、僕は以下のような提案をしました。
その話の抜粋です。           
●ガン患者学・5つの新しい発想法
(1)これからは一人一人が「患者学」を持つ時代だ
(2)なぜ「ガン患者学」が大切か?
(3)「スローヘルス」とは「創延命」の処世法だ
(4)「アンチエイジング」は「抗老化」、
「スローエイジング」は「延老化」
(5)ガン患者は「ホリスティック医療」を実践しよう

                *

(3)「スローヘルス」(創延命)とは何か?
そして、この長寿難病時代を迎えたいま、
昔のように、ただ「ガンを叩きのめすためには手段を選ばず」
「何がなんでもガンに勝つ!」という格闘技的医療ではなく、
なんとか「ガンと上手に共生して、
ゆったり長生きしていこう」という、
QOL(いのちの質)を考える医療としての
「患者学」が見直されてきました。
僕たちはこれをスローヘルスと命名しています。
つまり「創造的延命学」もしくは
「創延命患者学」と意義付けているわけです。 

もう少し、実態に即して考えてみましょう。
スローといえば、いま、スローフード、スローライフといった
ライフスタイルが流行語となり、
生活習慣改善としての
スローフード、ロハス、デトックス、
そして予防医学としてのアンチーエイジング、
いやスローエイジング・・・と、
まさに「スロー」の時代へ突入しました。

また、生活環境から見ても、
環境汚染、添加物汚染、食品汚染、ストレス汚染から
過食肥満の蔓延まで、あらゆる分野で、
クイックよりスローのライフスタイルが注目されています。

あまりに「スロー」という言葉が持て囃されましたので、
私たちの活動を「スローライフ研究会」とか、
「スローフード研究会」などと混同して呼ぶ方もいます。
ま、それでも構いませんが、
これからの長寿社会を上手に生きる、
いのちのキーワードは
「スローヘルス」=「創造的延命学」だと
覚えておいてください。

ちなみに、創造的延命学、創延命患者学
などというと難しく聞こえますが、
繰り返しますが、
なにがなんでもガンを叩きのめすというのではなく、
「ガンと仲良く共生する」「引き分けでもよい」から、
患者自身が、家族や医師と協力して
「ゆったり延命法」を工夫していこう、
自分なりに創造していこう――
という発想がスローヘルス患者学なのです。

野球やサッカーと同じで、
別に10対0で完封、叩きのめすことを期待するのではなく、
引き分けを愉しんだり、せめて一点差でよい・・・
そうした、しなやかな発想です。
もちろん、患者学とは、
いまだ医学の分野では確立されていませんが、
この長寿難病時代には、
やがて学問的にも無視できない【領域】となってくると思います。
ガン医学は、ただ身体面の「治療学」ではなく、
精神面も含めた人間丸ごとの「延命学」という発想に立たないと、
現実の患者の“役には立たなくなる”といってもよいと思います。

                *

このガン市民講座の詳細については、スローヘルス研究会の季刊誌
「いのちの手帖」第2号
(9月1日発売、大増ページ特大号)にて、
30頁にわたって報告する予定ですので、
楽しみにお待ち下さい。


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2006年6月29日(木)

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