元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1424回
スローヘルス研究会の役割

ガンは治療の問題だけでなく、
第2の人生を大きく左右する
「哲学」の問題だ――、と
生意気な話をしてきました。
だから、「スローヘルス患者学」=創造的延命学を
患者一人一人が持とうと、
僕たちの研究会では提唱しているわけですが、
といって、よくある「患者会」のように、
ただ患者の望む新薬を認証しろといった
運動を趣旨とするものでありません。

ガンは治療の問題としてだけでなく、
人生学として処世学として、
そして、まさに哲学として考えるために、
その理論と実践について研究している、
患者と家族、そして医療関係者、
ジャーナリストが集まって研究、研修している、
おそらく本邦初のガン患者組織が、
スローヘルス研究会なのです。

では、スローヘルス患者学=創造的延命学の持って立つ
ポジションはなにか?
コレに関しては、6月に開かれたガン市民講座の講演に先立って、
僕の方から、簡単に説明しましたが、
その要旨とスローヘルス研究会の役割について
紹介させていただきたいと思います。

       *

「スローヘルス患者学」がよって立つ、
「基本理論」について、かいつまんで説明させていただきます。
ずばり、スローヘルスは「ホリスティック医学」に基づいています。
これは、スローヘルス研究会の最高顧問であり、
日本ホリスティック医学協会会長の帯津良一博士らが提唱している
「人間のいのち丸ごとを診る」医学です。

●Holistic(ホリスティック)とは、
ギリシャ語の「holos」(全体)を語源とし、
そこから派生した言葉に
whole、heal、holy、healthがあります。
『Holistic』は、「全体」「関連」「つながり」
「バランス」といった意味で
「いのちを心身全体のつながりの中で見ていく医学」
「いのちのバランスを診る医学」がホリスティック医学です。
『医学とは「からだ」という身体性だけを
機械のように見るのはおかしい。
「こころ」(MIND)「いのち」(SPIRITS)
といった精神性、霊性という「3つのつながり」から、
全体として捉えるべきだ』と提唱しています。

「精神性」「霊性」といいますと、
いかにも非科学的、東洋的発想ではないか?
いかがわしく思う人もいるでしょう。
しかし、ホリスティックな医学とは、
機械論的な近代西洋医学の中で否定されてきたもので、
古来、欧米の医学はもちろん、
最近、各学問領域からも見直されている分野です。

もちろん、単なる直感やオカルト(神秘主義)ではなく、
宇宙自然との共生や社会全体のつながり、
森羅万象の全体性を論理的に構築する
創造的な学問が「ホリスティック発想学」=
もしくはホーリズムといわれるものです。
たとえば、ホリスティック医学の源である・・・

          *

これが、スローヘルス患者学がよって立つ
ホリスティック医学の理論ですが、いまその基本発想は、
哲学はもとより、政治経済学や教育学の分野でも
いま見直されているのです。
ガン患者は壊れた機械にあらず・・・と主張する所以が
ここにあります。
そのホリスティック発想学の根本理論については、
明日から、もう少し「哲学的」に解説していきましょう。


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2006年7月21日(金)

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