元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1494回
94歳まで進化した松下幸之助さん

50歳、60歳、70歳を過ぎて、
あっちが痛い、こっちが苦しい、
頭がボケてきたと、悩むことはまぬかれませんが、
そこをしたたかな知恵と、しなやかな知性を使って克服していく
“攻めの養生””脳の活性化”“しなやかなライフスタイル”が、
長寿時代に必須のスローヘルスな処世学だ――、

僕たちの発行している「いのちの手帖」は、
まさに、この長寿災難時代に
もっともパワフルな「心の青年雑誌」だ――、
と、66歳の“若造爺さん”
がちょっと生意気な話を書いてきましたが、
いま発売中の「いのちの手帖」第2号には、
ただの患者闘病エッセイ集としてだけでなく、
90歳を超えるまで、じつにゆったりイキイキ、
「青年老人」を実践してきた、
ふたりのパワフルな実業家=
松下幸之助さんと渋沢栄一さんに関わる
秘話エッセイが登場します。
ぜひ、長寿災難時代の「攻めの養生訓」として
読んでみてください。

まえに、このコラムの第1365回
「松下幸之助と40歳からの魂進化論」という
テーマについて書いたことがあります。
中で、人間の(1)身体 (2)精神 (3)魂・・・は、
以下のように、成長発達する。
(1)身体(生物学的発達)(2)精神(心理学的発達)は、
ともに、20歳頃ころまでに成長し、40歳まで平衡状態が続き、
40歳ころから衰えていく・・・。
それに引き換え、(3)魂(スピリチャルな発達)は
40歳ころから進化する――、
という、オランダの精神科医、
バーナード・リーヴァフッド(Bernard Lievegoed)
の「成人の発達段階」説を紹介したことがあります。

そして、スローヘルス研究会にも理解の深い、
元廣済堂出版社長の中博さんと食事をしたときに
この「40歳からの魂進化論」について話したところ
面白い話を教えてくれました。

「松下さんの成功の秘密には、
体が弱かったことがあげられます。
兄二人が結核で死んでおり、自分も22歳で結核
の初期症状がでてしまい、死を覚悟しました。
そこで「どうせ死ぬのならば寝ながら死ぬよりも、
養生して、働けるだけ働いて死ぬ方がいい」と考え、
とくに中年以降はこころの面を人一倍磨いた、
まさにスピリチャルな進化を遂げた人。94歳を全うした人です」
というのです、
ちなみに、中さんは、僕が現役の週刊誌編集長のころ、
経営の神様といわれた、松下電器相談役の
松下幸之助さんの秘書を勤めていた方です。
「ぜひ、その話を「いのちの手帖」に書いてください」と
お願いしておいたところ、
第2号の「こころに残る人々」という特集の中で、
「94歳まで進化し続けた、松下幸之助の生命エネルギー」と
題する原稿を書いてくれたのです。
その冒頭は以下のような話から始まります。

           *

最近、経営者の方々から
松下幸之助さんの話を聞きたいという依頼が、
松下電器出身である私に増えています。
ホリエモンや村上世彰といった金が全てという
唯金論者の逮捕などで、
今日の経営はこれでいいのだろうか、
本物の経営とは何なのだろうという疑問が噴出し、
敗戦後の混迷期に立上った経営者、
井深大、本田宗一郎、松下幸之助といった
本物の経営者の神髄に触れてみたいという思いが強くなったのは、
当然のことではないでしょうか。
松下さんの話で興味をもたれるのは勿論「経営論」もありますが、
最近、強く共感をいただくテーマは
「松下幸之助に学ぶ運命力」です。


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2006年9月29日(金)

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