元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1506回
生命の躍動(エラン・ビタール)って何?

「患者は壊れた機械ではない」
「希望こそ良薬、あきらめは毒薬」
「小さなトキメキを持つように心する」
「自然と共生する生命の躍動(エラン・ビタール)を
大事にすることが、患者に生きるエネルギーをもたらす」・・・
これが身体だけでなく、
精神や魂も診るホリスティック医学の真髄だと、
大学病院の外科医などから言わせれば、
“噴飯モノ”のガン患者学について、
このコラムの第1482回で書いたことがあります。

西洋医学に限界を感じた帯津良一博士が提唱する、
ホリスティック医学の基本哲学、つまり、
「自己の養生を果たしていくと、
宇宙、外界の大いなるいのちにぶつかり、
その瞬間、“生命の躍動”【エラン ビタール(Elan Vital)】=
感動の小爆発が起こって、一人一人が歓喜に満ち溢れる・・・」
つまり、生命体には、
自然と繋がる根源的な精神エネルギーがあるために、
破滅の危機を乗り越えて進化を続けた――、
難病治療も、同じで、自然と共生する
精神的な躍動=希望のトキメキを抱いたときに、
奇跡的な快癒をもたらす――、という話です。

えー? ガンのような腫瘍が「精神的なエネルギー」で消滅する?
そんなバカな話はよせ!と思う人は多いでしょう。
しかし、これは、お呪いや占い、
オカルトや神秘主義の話ではないのです。
ちなみに、近代西洋医学は「体は機械と同じ」とする、
いのち=臓器機械論の立場から治療を編み出してきたものですが、
その一方に、
「いのちは身体性、精神性、霊性の全体である」とする
いのち=全体のつながりとするホリスティック医学や
哲学、生物学、心理学の発想が、
古来から連綿として続いているからです。

もちろん、
中学校や高校の教科書ではこんなことは教えませんから、
ガンのような難病は「臓器を切れば完治する」
「化学劇薬で局所を叩きのめせば完治する」と医師が断言し、
マスメディアもこうした臓器機械論的な
治療法に追従しているわけです。

だからといって、精神エネルギーだけ、
つまり、瞑想や感動、さらに食事や呼吸法などで、
ガンが治るなどとはいいませんが、
いのちというものは「機械にあらず、
患者は壊れた機械ではない」ということを、
この長寿災難時代には、患者はもとより、
一人一人が、もっと自覚して対応していった方が利口だ・・・
と、僕は長年の闘病経験と東西の医学や哲学の」研究を通じて、
このコラムで申し上げてきたわけです。

このスローヘルスな基本理論については、
いま発売中の「いのちの手帖」第2号の
大特集・誌上市民講座「ガン患者とアンチエイジング」の中で、
司会者の僕が、簡潔にまとめてありますので、
コレを読んで欲しいのですが、
「根源的な精神エネルギーを感受したときに起こる
《エラン・ビタール》 =生命の躍動」については、
やはり同じ号の「フツーの医学事典では分からない!
いのちの医哲学用語事典」というコラムで、
元東大講師で、
翻訳家の藤野邦夫さんがじつに分かり易く解説しています。

「(フランスの哲学者)ベルクソンは
生命体が物質の機械的な結びつきで進化するのでなく、
物質と単純に分けられない内的衝動によって、
飛躍的に進化すると考えました。
生命には本来の飛躍力があり、
生命体はエネルギーを蓄積して柔軟・自在に放出しながら、
際限もない仕事をしているように見える。
それこそエラン・ビタールが物質をつらぬいて、
いっきに確保しようとすることがらである、というわけです」


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2006年10月11日(水)

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