元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1514回
闘病記 ガンと上手に付き合う!

食道ガンは、ガンの中でも最も手術の難しいガンです。
術後の5年生存率は20%、手術死も2〜6%という惨い手術です。
アメリカでは、放射線と抗ガン剤による
食道ガン治療が優先されつつあるようですが、
日本では、いまだに手術が主流です。

「切るべきか」「切らざるべきか」・・・、
食道ガンこそ治療の選択で運命の変わるものはありません。
この岐路を決断するのは、一つの人生の賭けですが、
僕の場合は、手術の怖さ、抗ガン剤の過酷さを
身を持って体感したことになります。

ところで、いま発売中の「いのちの手帖」第2号には
もうひとり、食道ガンを切らずに元気に過ごしている
僕と同年代の女性の手記が掲載されていますので、
抜粋紹介しておきましょう。
佐野淑子さんの「闘病記 ガンと上手に付き合う!
なぜ私が食道ガンなの? でも、切らずにクリアできました」
という文章です。

            *

最初は胃が悪いのだと思っていました。
年1回の健康診断ではいつも問題なし、どちらかと云えば、
健康志向で、食べ物も無農薬の宅配便をとったり、
玄米食にしたりしていました。
最近は子供達も成長したので、
それほど厳密にはしていませんでした。
身体を動かすことが好きで、
通勤帰りの三駅くらい手前で降りて歩いて帰るなど
日常的に運動を取り入れていました、
休日は登山に、月1、2回は出かけていました。
平成15年2月に義父が亡くなりました。
損保の代理店をやっていましたので、
その後始末と少し認知症が始まっていた母の世話、
自分の仕事と少々きつい状態が続いていました。
胸やけ、疲れやすさ、生魚の臭い、電車の中の匂い、
排気ガスの匂いなどにも敏感になっていました。
16年3月の定年を前に人間ドックも受けてみました。
これも異常なしでした。
定年後は引き続き、週4日働く道を選びました。
症状は続いておりましたが、
さほど気にもせず通勤しておりました。
16年6月、母を病院に連れて行ったついでに、
私も診察を受けました。
近所のかかりつけ医です。
痛みもなく眠っている間に終わるという
内視鏡の検査を受けてみることにしました。
結果は大きな病院で詳しい検査を受けるようにとのことでした。

この時になっても、
自分の病気がそんなに深刻なものだと思っても見ませんでしたが、
職場関連の病院で検査を受けたところ、
結果は食道ガンだというのです。
早期であること、内視鏡での治療は困難であること、
手術は食道を切り取って胃を引き上げて、
食道の代用にすること・・・などでした。
なんで私がガンなの? それも食道ガンなの? 
これまでの生活が走馬灯のように浮かんできました(以下略)

           *

この岐路に立って、佐野さんはご長男や家族の人たちと相談して、
放射線治療のほか、漢方薬や代替療法による体質改善療法を
積極的に取り入れ、1年半を無事、クリアしています。
もちろん、僕にしても、風邪を引いたり、体を冷やしたりすると、
マーカー値が上がったり、体調を崩したりしていますが、
その都度、「これは警告カード」だと反省して、
漢方のせんじ薬や天仙液を大量に服用したり、
寝るときは湯たんぽをつかったり、
なんとかクリアしているわけですから、
佐野さんともお互いに
「気を許してはいけないよ」と励ましあっているわけです。

こと食道ガンに限りませんが、ガンはただのオデキとは違う、
全身を蝕む突発性の老化病といえますから、
「手術即=完治」「抗ガン剤=魔法の万能薬」
と妄信することだけは避けた方がよいと、僕は考えています。
「ゆったり生きる患者学の大切さ」
「スローヘルス=創造的延命学の知恵」を見直すことが
ますます大事になってきたと思っています。


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2006年10月19日(木)

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