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         第1521回 
          続・漢方のガン抑制メカニズム 
        10月14日(土)、帯津良一博士と王振国医師の新刊共著 
          「新しいガン治療 もうひとつの地平を見つめて」 
          (K&Bパブリッシャーズ刊)の 
          発刊を記念して国際医学セミナーが開かれたわけですが、 
          台湾行政院(内閣)の国家衛生研究院行政所所長であり、 
          腫瘍内科専門医であるョ基銘(らい きめい)医師による 
          「抗ガン漢方によるガン抑制メカニズム」 
          という講演内容の紹介の続きです。 
          このコラムでは、あえて、難しい専門的用語は省いて、 
          ョ基銘医師の講演をなるべく分かり易く抜粋しましょう。 
          以下のような内容の話です。 
                 * 
        この漢方複合薬「天仙液」の成分と作用に関する実験は、 
          2006年1月から9月まで、 
          台湾の国家衛生研究院で行われたもので、 
          以下、4つの研究成果を報告します。 
          実験(1)「急性白血病細胞の増殖抑制作用」 
          実験(2)「乳ガン細胞の増殖抑制作用」 
          実験(3)「ラットによる脳腫瘍細胞の増殖抑制作用」 
          実験(4)「肺ガン細胞に対する増殖抑制作用」 
           
          実験(1)「急性白血病細胞の増殖抑制作用」は 
          4種類の細胞を実験対象としたものですが、 
          天仙液の成分が、 
          すべての細胞株に対するアポトーシス(細胞自殺死)を誘導し、 
          また、よい方向に分化していることがわかりました。 
          さらに白血病細胞の分裂・増殖には、 
          3つの経路がありますが、どれにも影響を与え、 
          増殖を抑制していました。 
           
          実験(2)「乳ガン細胞の増殖抑制作用」 
          U期症状の乳ガン細胞の分裂をストップさせ、 
          また、放射線治療との併用で、 
          その効果を増強していることが分かりました。  
           
          実験(3)「ラットによる脳腫瘍細胞の増殖抑制作用」 
          これについても、アポトーシス、細胞周期の変化、 
          細胞分裂の経路遮断 
          また、放射線との併用による効果の増強を果たすことが 
          証明されました。 
           
          実験(4)「肺ガン細胞に対する増殖抑制作用」 
          細胞初期段階の肺ガン細胞に、 
          この漢方複合薬成分の濃度を上げて 
          実験したところ、ガン細胞が死滅していることが実証された。 
           
          以上の9ヶ月にわたる実験から結論を申し上げますと、 
          この複合漢方薬の成分には、 
          次のような4つの作用があると考えました。 
          (1)ガン細胞のアポトーシスなど、 
          分子標的治療としての抑制効果がある 
          (2)ガン細胞の分裂周期に変化を与える 
          (3)ガン細胞の分裂経路を遮断する 
          (4)放射線治療との併用で効果を増強する 
           
          最後に「抗ガン漢方と 
          これからの医療」について提案しておきたいと思いますが、 
          西洋医学と東洋医学を統合する 
          いわゆる「統合医療」における、漢方の役割は 
          ますます大きくなると考えます。 
          もちろん、注目の複合漢方薬「天仙液」は、 
          現時点の統合医療のマスターキーになると有力視しています。 
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