元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1522回
新しいガン治療は「患者と医師」の信頼

10月14日(土)、帯津良一博士と王振国医師の新刊共著
発刊を記念して、ガン統合医療の可能性を探る、
国際医学セミナーが開かれたわけですが、
台湾行政院(内閣)の国家衛生研究院行政所所長であり、
腫瘍内科専門医であるョ基銘(らい きめい)医師による
「抗ガン漢方によるガン抑制メカニズム」
という講演内容の紹介の続きです。

           *

さて、ガン統合医療における、漢方の役割とは、
以下のような4つがあげられるでしょう。
(1)副作用の削減=免疫力を向上させることによって、
白血球を増量し、体力増強改善を図る
(2)ガン細胞への直接作用も期待できる(分子標的治療における
抑制効果、また、放射線治療との併用による効果増強など)
(3)ガンの再発・転移の予防効果を高める
(4)末期患者のQOL(生命の質)を高めながら
延命維持効果を発揮する。

中国医学、漢方療法も、これだけ可能性の高い治療として
期待できる、古くて新しい医学なわけですから、
ただ伝統や秘伝に甘んじることなく、
ますます、エビデンス、つまり科学的立証性に努力する必要が、
高まってきたと考えているわけです。

           *

「いかなる医学も、
その目的は「人間」の治療にあると考えている。
中国医学と西洋医学の間では
病を見る角度と方法が違うに過ぎない」
「現在、ガン治療の統合医療の中で、
免疫力向上療法、血管増生抑制、ガン細胞抑制など、
多くの研究において中国医学の可能性が示されており、
開発の潜在力を備えているのです」・・・、
頼基銘医師は、まさに、これからの新しいガン治療のあり方として、
帯津良一医師や王振国医師のように
中国医学と西洋医学を合わせた
中西医結合医療の推進者であるわけです。
そして、いのち全体を見る統合医療の基本にしている考え方が、
「患者本位医療」です。

頼医師は、尿療法など中国の伝統的にも、とても詳しい方ですが、
一方で、漢方の立証実験や中西医結合治療の研究はもちろん、
台湾政府の医療関係の要職を兼ねながら、
常に強調していることは、
「ガン治療は患者主体であるべきだ、
漢方療法に高い可能性がある」という信念です。

「患者のために、より良い治療方法を
見出すことは医者本来の責任です」
「ガンの治療の場合、現代医学の医者が
最も挫折を感じるのは、手術や化学療法や放射線療法の他には、
ただ追跡して病気が再発しないのを祈ることしか
出来ないという点だ」
「治療が困難にぶつかった時、
患者自身もあらゆる手を考えます。
民間療法や新しい発見の中から、
何とか可能性のあるものを探そうとするのですが、
結局は騙されてしまう人も多いのです」

頼医師の立場は、医師とは、権威の上にあぐらをかくのではなく、
開放的な態度で、患者の声をもっと聞くべきだという発想です。
帯津医師がよくいっていますが、
新しいガン治療の可能性の基本とは、洋の東西を問わず、
「患者と医師の信頼の統合」にあることが、
みなさんにも理解できたと思います。

明日は、このセミナーの講演の2番手に登壇された
キャンサーフリートピアの三好立医師による
「患者が納得できる、新しいガン治療の実際」
についての話を紹介しましょう。


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2006年10月27日(金)

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