元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1524回
ガン難民にならないために

10月14日、国際医学セミナー
「新しいガン治療――
本当に患者が納得できるガン治療とは何か」
で講演されたキャンサーフリートピアの三好立医師の
講演抜粋紹介の続きです。

           *

インフォームドコンセント、つまり、治療における
「説明と同意」ということですが、
医師から症状と治療野説明を受けることはもちろんですが、
いまは、ただ受身で指示された治療に同意するというのではなく、
より患者が積極的に、数ある治療の中から選択していく時代、
つまり、インフォームドコンセント(説明と同意)から、
インフォームドチョイス(説明と選択)の
時代に入ったと思ってください。
そして、セカンドオピニオン、つまり
第2、第3の医師の意見や診断を仰ぐべきです。
ここが、患者が納得できる治療を
受けられるかどうかのポイントです。

ところで、実際にセカンドオピニオンを受けるといっても、
最初に罹った病院の主治医に紹介状を書いてもらったり、
検査データを申し出ることは、なかなか勇気のいることです。
では、どうしたら、上手にセカンドオピニオンが受けられるか?

最近は、2、3年前と違って、セカンドオピニオンを嫌がる医師は、
相当遅れた医師といわれるようになってきましたから、
以下の二つのことを覚えておいてください。
(1)ビビらず、申し出る。
(2)その申し出るタイミングを間違えない。
セカンドオピニオンを申し出るタイミングは、
入院前か、治療決定前です。
先日も、こちらの相談所にセカンドオピニオンについて相談に来た
直腸ガンの患者さんも、
すんでのところで、人工肛門をつけずにすみました。

入院することは、
患者は人質に取られたような気分になりますが、
いのちはあなた自身のものですから、
医療消費者としての立場を冷静に貫きましょう。

さらに、患者の治療選択には、まだまだ
さまざまな障害があります。
「ガン難民」という言葉を聞いたことがあると思いますが、
多くの患者が治療そのものに悩み、
情報にさまよっている現象を指します。
日本の医療構造にも原因がありますが、
以下のような傾向が蔓延していると思います。
(1)標準治療(手術や化学療法など)から見放される
(2)標準治療(大量の抗がん剤投与など)で
心身がボロボロになる
(3)ドクハラ(医師の横柄な態度)に負ける
(4)ガン情報に溺れる

とくに、いまの医科大学の教育では、
「標準治療の手立てがなくなったら、
患者は座して死を待て」といった発想になりますから、
たとえば、再発や転移で心身が衰弱した患者に向かって、
経験の浅い医師などは
「大学病院で、これ以上やれる治療はありません。
あとは、自宅の近くの病院で療養する、
また緩和ケア病院で過ごすことを覚悟してください」と
平気で申し渡します。
ガン難民が、全国に溢れることになります。

            *

では、あなたが「ガン難民」にならないためには
どうしたらよいか?
三好立医師の、じつに分かりやすい話は、
まだまだ続きますが、
その講演の抜粋は、また明日・・・。


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2006年10月29日(日)

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