元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1525回
標準治療と緩和治療の「隙間」に問題あり

10月14日、国際医学セミナー
「新しいガン治療――
本当に患者が納得できるガン治療とは何か」
で講演されたキャンサーフリートピアの三好立医師の
講演抜粋紹介の続きです。

患者の治療選択には、まだまだ
さまざまな障害があります。
多くの患者が「ガン難民」となって、
治療と情報にさまよっている――、
(1)標準治療(手術や化学療法など)から見放される
(2)標準治療(大量の抗がん剤投与など)で
心身がボロボロになる
(3)ドクハラ(医師の横柄な態度)に負ける
(4)ガン情報に溺れる
このような「ガン難民」の蔓延に
患者と家族が悩んでいる――、
いまの医科大学の教育では、
「標準治療の手立てがなくなったら、
患者は座して死を待て」といった発想だ――
という話の続きです。

       *

では、みなさんが「ガン難民」にならないようにするには
どうしたらよいのか?
というわけで、患者のみなさんにも、
日本のガン治療の実態を図式的に理解しておいて
いただきたいと思います。
いまのガン治療の仕組みは、
一方に、初期ガン、
進行ガンに対応する「標準治療」がシフトされ、
一方に、末期ガンに対応する「緩和治療」がシフトされている・・・
こうした仕組みなのです。
その間の「隙間」に治療方法がない!
これが問題なのです。
再発や転移に悩み、また標準治療の手立てを失った
患者が見はなされて「ガン難民化」していることになります。

ですから、この「ガン治療の隙間」を埋める治療選択を、
患者も積極的に心すれば、ただ闘病や治療に苦しむのではなく、
「良い時間をどう一番長く過ごすか?」を、
じっくり時間をかけて考え、
納得できる延命を図ることが出来るわけです。

では、いまの日本のガン治療の「隙間」に落ち込まないために、
患者はどう治療選択を果たしていくべきか?
以下、6つのアドバイスをあげておきます。
(1)ガン治療の選択に当たって、
患者が日々、元気に過ごすことを基準とする
(2)治療で苦しまない
(3)ガンが大きくならない治療を目指す
(ガン闘病は「引き分けでよい」と考える)
(4)治療に継続性を持たせる
(5)治療の科学的裏づけは確かめる
(6)保険診療を基準として、出来るかぎり経済的負担を軽くする

ですから、僕は、闘病や治療に苦しむのではなく、
「良い時間を一番長く過ごす」ための選択肢のひとつとして、
分子標的治療による「抗ガン剤の休眠療法」をすすめています。
とにかく、標準治療として主流にある
抗ガン剤も「薬」と「毒」の両方の性質を
持っているわけですからね。
このほか、治療の選択肢としては、未承認の治験薬、さらに
免疫療法、漢方療法、サプリメントもすすめますが、
基本的な考え方は「ガン治療は引き分けが勝ち」という、
じっくり構えた心得が大切だと考えます。

       *

三好立医師の分かりやすい講演からは、
「患者は医療消費者という自覚を持とう」――
「これがHBM(ヒューマン・ベースト・メディスン=
人間本位治療)の基本だ」――という、患者にとって、
とても新しい発想のアドバイスと提案が送られたわけです。


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2006年10月30日(月)

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