元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1631回
「いのちの捏造」番組を叱る

化学添加物と農薬まみれの食品、
高たんぱく高脂質の肉食過多、
アルコールと甘み飲料の暴飲の結果が、
“長寿快適”ではなく、ガン、糖尿病、高血圧、
心臓疾患、認知症といった“長寿災難”時代をもたらした――、

おまけに、旧来の臓器分解式の西洋医学では、
この複雑に入り組んだ難病を治すこと不可能ということが、
医師ではなく、患者が気づいてきて、右往左往している――

いまこそ、人間を機械のように分解する荒治療ではなく
人間のいのち全体を、温かく和やかに見る
「ホリスティック医療」の見直しが必要だ――

いくつかの拙著やこのコラムで、
生まれ育った自然風土に心身を合わせる
=身土不二の知恵=について、繰り返し説いてきましたが、
ずばり、日本人は「欧米食の食べ過ぎ」です。
ガンのような病気に限らず、
最近では内臓脂肪型肥満=メタボリック症候群といった、
肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの
生活習慣病に多くの日本人が悩み始めているわけです。

ところが、テレビの健康ワイド番組は
“納豆で痩せる、紅茶で痩せる、
人参がガンに効く、キノコがガンに効く”・・・
といった短絡的な「やらせ」番組を編み出して、
日本人の健康問題をミスリードしています。

はたまた、これぞ「魔法のガン新薬」といった
コケオドシの番組や記事も後を絶ちません。
冷静になって考えれば、たった一つのクスリや食べ物で、
あっという間にダイエット出来たり、
ガンが治るわけがない・・・
誰でもが、これくらいは分かるはずです。
かりに一発完治の「魔法のクスリ」や
「奇跡の食べ物」があるとすれば、
多くの人が、ガンや糖尿病、心臓病、
はたまた内臓脂肪疾患で苦しむことはないはずです。

こうした番組は、いかにも「食の効用」「医の効用」を
説いているようにみえますが、
実は、いい加減な医師や栄養士を動員して、
クイズもどきに西洋医学をつまみ食いする、
いわば「似非医学」=「いのちの捏造」番組なんですね。
日本人はアメリカ人ではありません。
この長寿難病時代に大切なことは「危ない食品」
「おかしなクスリ」の洪水の中で、
日本の風土、日本人の体質に合った、
日々のライフスタイルを、
一人一人が一歩一歩、養生設計していくことにあります。

筆者はメディア稼業40年の身ですから内情もよく分かります。
ですから、いまさら一刀両断にナデ斬りはいたしません。
メディアとて営利公益事業です。
しかし、視聴率や販売利益を上げねばならん、
監督官庁の意向も図らねばならん、
スポンサーとくに飲料や
食品関係広告主へ迎合しなければならん・・・
こうした思惑が情報産業のウラにないことはないわけです! 

いまやインターネット双方向時代で
観客も読者も発信者の時代ですから、
情報の「捏造体質」をしっかりと凝視した上で、
わが身に役立てる・・・
とくに「いのち」に関わる番組を観たり、
記事を読むときには「鋭い観察」と「賢い知恵」が欠かせません。

ただ医師や栄養士、出演タレント、
テレビ局を糾弾するだけでなく、
自分軸の「いのちの設計図」をしたたかに描いておく。
この賢い心得が「いのちの捏造」社会に騙されずに、
スローヘルス(温和療法)健康学を築くコツ、
元気で若生きのヒケツだと、
僕は一人の患者として痛感しているわけです。


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2007年2月13日(月)

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