元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1678回
「納豆番組」と「タミフル騒動」に思う

最近、日本でも美容に、健康に・・・
自然療法、代替補完療法の関心が高まっています。
ところが、一方で、健康食品情報を流すマスメディアの報道が、
ちょっとおかしい。
行きすぎだと感じている方も多いのではないでしょうか?
いま問題視されている、
やれ「納豆を食べれば痩せる」、
やれ「キノコを食べればガンが治る」といった
テレビ番組や健康記事の氾濫です。

まるで、一発完治の「奇跡の食品」があると勘違いさせる
「情報の捏造」いや
「いのちの捏造」情報が世の顰蹙をかいました。
テレビ放映が終わるとたちまち、
スーパーで納豆が売り切れたりしたわけですから、
買いに行くほうも行くほうでしたね。
ちょっと冷静に考えれば、子供でもおかしいぞと思うような
いいかげんな「似非栄養学」「似非医学」が、
まだまだ形を変えて横行しているわけです。
「売れればよし」・・・、
視聴率や利益率のモノサシしか基準にしない、
マスメディアの情報捏造体質は問題です。

すべてにコンビニエンス=即効性&便利性が要求される
情報社会に迎合したわけでしょうが、
「人間のいのち」とは、
○×クイズ式で解けるほど単純なものではありません。
「患者は壊れた機械」とは違います。
「健康維持は機械修理」ではありません。
これからのいのち学の「発想とシステム」は、
より長寿社会に即して、よりロジカル(論理的)に、
よりホリスティック(全体的)に、
構築される必要が出てきたと思います。

とくに、健康に関する食品情報はもちろん、
日本では医薬品と認められていない
代替補完療法の品質と安全性についても
そろそろ本気になって、
官民を上げて「分類化と制度化」を急ぐべきでしょう。

健康食品や代替補完療法の評価が
ただ「いかがわしい」の一言であいまいにされ、
一方で、公認医薬品をめぐる医療制度の後進性も
改める気配がありません。
たとえば、いま抗インフルエンザウイルス剤のタミフルや、
肺ガン治療剤のイレッサなどの
新薬認可基準の不透明さは目に余ります。
的確な情報公開がなされないばかりか、
認可基準や審査基準がころころ変わる・・・。

健康食品に対する基準や情報があいまいなら、
国が公認している医薬品の審査基準や運用基準も
的確に情報公開されていない。
西洋医学の医師グループと、
代替補完医療の医師グループが、
これほど互いにいがみ合っている国も珍しいでしょう。

「もっと両者は仲良く出来ないのか?」
「もっと治療の選択肢を多くして欲しい」
「よりよい時間を長く過ごすための医療改革を急げ」
これが「いのちを掴みたい」ガン患者の本音の願いです。
僕のように、標準治療と代替補完療法を組み合わせる
いわゆるホリスティック治療を組み合わせて延命してきた
患者からみれば、このような「だらしのない健康維持システム」
の現状とは、じつに悲しいものです。

極論になりますが、いまの医療制度も医療情報も
患者無視、いや、「いのちの捏造」横行の社会ではないのか?
この医療後進国の現状を、
一人一人がしたたかに見破っていかないと、
僕たちは、この長寿社会を快適に過ごすことは
出来ないことになります。
いや、溢れる「いのちの捏造」情報におぼれて、
それこそいい加減な健康食品や、
副作用の激しい化学劇薬でいのちを縮めかねないのが、
いま迎えている「長寿社会」の最大の欠陥ではないでしょうか?


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2007年4月1日(日)

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