元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1714回
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾け)のすすめ

本屋さんにいったら、最近、若い女性に人気があるのでしょう。
自己啓発本の本棚が目立つところにあって、
大抵が、ピンクの表紙なのですが、これが数百冊も並んでいるのには驚きます。
心に悩みを抱えた読者がたくさんいるわけですね。
まえに、このコラムで紹介した、
気鋭のスピリチャル・カウンセラー・
洞沢鯉江さんの新刊「36日間でしあわせ体質に変わる本」
そのコーナーに並んでおりました。
さて、この本の趣旨である「溜めるだけでなく捨てる」、
「整理整頓清掃」の3Sが、自分を輝かせるヒケツだ、
これからの人生設計に大切だとして、
36日間のいわば「心のそうじ力」のトレーニング法が
書かれているわけで、結構、人気を集めているようです。

確かに玄関や部屋をきれいにしていると、気分がスッキリして、
頭や体の活動もきびきびと生き返ってくるものです。
昔から、風水学などが、ただの占いではなく、
環境浄化学といわれる所以です。
どうして、こうしたことが起こるか?
これについては、ただの神秘主義や
不思議現象と考えすぎない方がよい、
「捨てる効果」もうまく運ぶと僕は考えています。

というのは、人間の生命系や、環境の生態系の流れを
科学的、哲学的に分析すれば、しごく当たり前のことだからです。
物理学のエネルギー(熱量)の法則に、
「エントロピー増大の法則」
というのがあるということを聞いたことがあるでしょう。
「エネルギー劣化の法則」と考えてもよいと思いますが,
わかりやすく言うと「やかんで水を温めると
熱量は上がるが、火を止めればやがて熱はどんどんさがっていく」
これが、生命系、生態系における、
エネルギー劣化の法則だ・・・という考え方です。
もっと、わかりやすい話が、
いまやどこの家でもゴミを分別して捨てることが
あたりまえの習慣となっていますね。
劣化する生態系を少しでも取り戻すために、
モノをリサイクルして捨てようという環境思想も
エントロピーに基づく考え方です
「溜めるだけでなく捨てる」・・・
いわば、整理整頓清掃は、
生態系リサイクルや体の健康維持の常識どころか、
ますます、人間の心魂の世界でも、
当たり前のことなってきたということでしょう。
適度のストレスは人間のやる気をアップしますが、
過度のストレスを「溜める」ことは難病の原因にもなっています。

これからは、どうやら、
「溜めるだけでなく出す」「整理整頓清掃の3S」が
肝に銘じた方が人生設計にあっている世の中のようなのです。
僕の励行している、マクロビオティック玄米菜食法でも、
「食べるだけでなく上手に出す」「入れるだけでなく上手に捨てる」という、
つまり、新陳代謝が健康維持、
生命活性化のヒケツだとしています。
「溜めるばかりでなく捨てる」思考は、
自分をときめかす人生設計のヒケツともなりますから、
もはや、当たり前の生命理論ということができましょう。
「捨てる」思考は、身、魂、心の生命全体を
パワーアップする源となる・・・
僕はそう考えています。

ちなみに、健康や運を呼ぶ「そうじ力」といった、
玄関や本棚の整理の本だけでなく、
ビジネスの世界でも、ツキを呼ぶ「トイレ掃除」、
さらに「整理整頓清掃の3S」が企業マネージメント戦略の要だ、
といった話もたくさん出てきました。

日本能率協会コンサルティング
「マネジメント用語集」などを見ていると
「3Sは業務を無駄なく進める上で極めて重要な運動だ」として、
さらに「整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・
清潔(Seiketu)・躾(Situke)=5Sのすすめ」を説き、
整理から整頓、清掃と、躾に向かうほど
実施・定着化の難易度が上がる。
このため「5Sが徹底されている職場は、管理レベルが高い」
と謳っています。

あたな自身はもちろん、あなたの家庭も会社も、
いまいちど「エントロピーを増大する」のではなく、
「エントロピー減少の法則」=「エネルギーアップの法則」
に則った、
「5Sのすすめ=整理(Seiri)・整頓(Seiton)
・清掃(Seisou)・清潔(Seiketu)・躾(Situke)」
を見直してはどうでしょうか?


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2007年5月7日(月)

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