元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1740回
「全身ハイパーサーミア研究会」

まえに、ガンは「冷えが大敵」「冷えは万病のもと」。
人間の平熱は36度だが、
これが0.5度下がるだけで免疫力が40%下がる――、
からだの冷え、こころの冷えが、ガン再発の最大の敵だ――、
という話を書きました。

そして「いのちの手帖」第3号、春夏特大号に掲載されている、
全身温熱療法
(全身ハイパーサーミア WBH=Whole Body Hyperthermia)の
権威・ルカ病院ルーク・クリニックの竹内晃院長のエッセイ=
「いきいき診察室  がんと温熱の話」について紹介しました。

ちなみにハイパーサーミア(温熱療法)とは、
人間の体の細胞は42℃を過ぎると死滅するという性質を利用して、
高熱によってガン細胞を攻撃しようという療法。
また、ガン細胞は正常細胞より熱に弱い性質があり、
正常な組織を破壊することなく、
ガン細胞を死滅させることができるという考え方ですが、
その竹内先生が主催する
「第11回全身ハイパーサーミア研究会」が
5月12日(土)、東京・中野のサンプラザで開かれました。

まずは、京都府立医科大学・古倉聡助教授の
「癌、生活習慣病、および、炎症性疾患に対する
治療法としての全身ハイパーサーミア」
という講演から始まりました。
「熱ショック蛋白」(HSP= Heat Shock Protein)とは
傷ついた細胞を修復する蛋白質ですが
全身温熱療法で現れる、
このHSPが、いかにガン免疫を増強するか?
マウス実験の研究成果と転移ガン抑制のメカニズムを
パワーポイント画面を使って詳しく解説しておられました。
さらに、興味深かったのは、ガンのみならず、
糖尿病にも発生抑制効果が見られるという話です。
インシュリン治療を拒否して、
全身ハイパーサーミアを受けたある患者のケースでは
血糖値が数週間下がり続けたというのです。

ちなみにガンの「標準治療」には、手術、抗ガン剤、放射線の
三つしかないことは、みなさんもご存知の通りです。
しかし、いずれも副作用、疼痛、合併症を伴う、
患者が受ける心身のダメージはとても大きいものであり、
その治療の限界が、最近、とみに指摘されております。
というわけで、
第4の治療法「免疫療法」とともに注目されてきたのが、
第5の治療法「温熱治療」
(ハイパーサーミア)というわけです。

竹内先生の温熱療法は、スロー研究会の仲間で、
肺ガンから脳転移をしながらも、ガン延命15年を果たしてきた
小澤恵子さんが治療の支えのひとつとして大事にしておられたのを
はたから見て、とても気になっていた療法でした。
残念にも、小澤さんはこの冬に風邪をこじらせて、
永眠されてしまったのですが、転移の恐怖にもめげず、
このハイパーサーミアをはじめ、
γナイフなどの最新治療に加えて、
食事法や呼吸法も併用し、長年、ガンをなだめながら
工夫を重ねて過ごしている様子には、本当に頭が下がり、
僕も多くのことを教えられました。ご冥福をお祈りします。

さて、「なんとかダメージの少ない治療はないか?」
「大学病院から見放されても、
少しでも延命効果を上げる治療法はないか?」
患者は藁をも掴む思いで探すものです。
もちろん、ガンの治療法に絶対的なものなどありえません。
しかし、僕自身、どうも、
近代西洋医学の荒治療による副作用や疼痛には、
ほとほと参りましたので、心身を温める療法としては、
東洋医学の治療法を選択しているわけですが、
竹内先生からハイパーサーミアの話を何度か聞いているうちに、
この西洋医学の治療法までは、
スローヘルスを志向する患者としても、
許せるような気がしてきたわけです。

全身ハイパーサーミアとは何か? 
受診するかどうかは別にしても、
この第5のガン療法の最先端情報について
知っておいて損はないと思います。
いい機会ですので、まとめて、
「第11回全身ハイパーサーミア研究会」の模様を
明日から紹介してみたいと思います。
ガンの再発、転移に不安のある方は必読です。


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2007年6月2日(土)

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