元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1760回
「痛みは脳の勘違い」?

風雲舎という出版社の社長・山平松生さんから、
送られてきた近刊「腰痛は脳の勘違いだった」(戸澤洋二著)
の話の続きです。
山平さんのでは、すでに帯津良一先生の「いい場を作ろう」
といったホリスティックな本も3冊出版していますが、
こんどの本は「7年間の腰痛・坐骨神経痛が、
たったの3ヶ月で治った」と、表紙の帯にうたわれたものです。
ガンのみならず、椎間板ヘルニアの鈍痛に悩む僕としては、
一気に読んでしまったことはいうまでもありません。

著者の戸澤さんは、理学療法、カイロプラティック、
神経ブロック注射、高圧酸素治療、そして骨接ぎ、
鍼灸、整体、気功・・・と、
まさに西洋医学から東洋医学まで、
ありとあらゆる慢性腰痛を治す
という治療に挑戦していくわけですが、
なかなか、コレといった治療にめぐり合えない、
苦難の日々が綴られていきます。
しかし、長い長い「腰痛」との付き合いのなかで、とうとう、
「痛みとは脳の勘違いで起るのではないか?」
という仮説にたどり着くのです。
「心と脳」「治してもらうのではなく自分で治す」という
独自の戦略発想法を思いつき、それだけではなく、
最後には、ペインクリニックを見つけて、
「トリガーポイントブロック注射」による局所治療との併用で、
まさにホリスティックに慢性の激痛を取ることに成功した
というのです。

出版社のWEBでは、次のように本の内容が解説されています。
「著者は医者ではない。セラピストでもない。
7年間、激痛に苦しんだ『実績ある腰痛患者』である。
医者から治療院へと渡り歩いたが、
どこの誰も治してくれなかった。
だから自分で戦略を立てた。著者は電子工学の技術屋さんである。
自分の痛みを電気回路的に見直したのだ。
それを実践してみると、ウソのように痛みは消えた。
著者を苦しめた激痛は、脳の勘違い――
痛みのループを繰り返していたのだった」

脳と患部を繋ぐ「痛みのループ」の仮説については、
工学部出身の戸澤さんらしい図解が挿入されています。
興味のある人は、本書を読んで欲しいのですが、
患者として感心するのは、
まさに体のサイドと心のサイドの両面から、
ホリスティックにわが身を捉え、また、他人頼るだけでなく、
自らの治療戦略を「創造」したところにあります。
まさに「創造的患者学読本」です。
慢性疾患に悩む人はぜひ読んでみてください。

ちなみに、僕たちスローヘルス研究会も同じ
「創造的患者学」を目指しています。
拙著「ガン延命学新書」のあとがきにも、
以下のように書いたことがあります。
「●希望こそ良薬、あきらめは毒薬
己のいのちは己で創りましょう!
これからは患者が変わります! 
これからは家族が変わります!
患者が変われば医師も変わります!
そして病院を「いのちの広場」に変えましょう!
治療の場を「修理工場」から「患者の家」に取り戻しましょう!
ガン治療の新しい環境場を創るパワーは
患者自身の発想転換の中にあります。」

「たかが腰痛、されど腰痛」なのですが、
その激痛鈍痛は他人に説明できるもではありません。
しかし、これとて、個人の症状差により「激痛」は千差万別です。
戸澤さんの場合は、
坐骨近辺の第五腰椎と第一仙椎にヘルニアがあるようで、
これは脚の神経を麻痺させる症状ですが、
僕の場合は、背骨の中心部の第一腰椎の椎間板が
先天的に潰れている症状です。
椎間板ヘルニアが上部のほうですから、
脚の神経が決定的にやられる危険は少ないわけですが、
それにしても慢性の鈍痛を回避するには、
リハビリ体操と仙骨上部を
携帯カイロで温めることなどは欠かさず励んでいます。
しかし、気候が低気圧気味になるとしくしくと痛み出すものです。

たしかに、この著者のいうように、自分が好きな趣味=
読書やパソコン、音楽鑑賞、
旅行、散歩などを愉しんで集中している時は
「脳を勘違いさせて」、痛みを忘れさせてくれるものなのですね。
先日、中欧に行ったときも、
転ばぬ先の杖で「ツエ」は手放しませんでしたが、
旅が楽しかったせいでしょう。
痛みがほとんど出なかったのは不思議なことでした。


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2007年6月22日(金)

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