元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1774回
いまは「欝病」にも感謝しています

「いのちの手帖」第3号に掲載された、
ジャーナリストの同輩で、
「女性自身」とか「微笑」といった華々しい女性雑誌の編集や
編集長をされてきた、中川善雄さんによる、
●特集1・病院で聞けないホントの話!
1日10メートルの歩行、1日1ミリの開脚!
わが「ウツ病」脱出記・・・・    
という重症の鬱病克服記についてさらに続けます。

           *

四つの体操(のようなもの)を、
呼吸を使って一日僅か4分やるだけという簡単なもので、
最初は「こんなものが何の役に立つのか」と思いましたが、
著書の中の「廃用性萎縮」「気の滞り」
という言葉にピーンと思いあたるものがありました。

前者は使わないことによってダメになっている体の状態であり、
後者は文字通り、「気」の通りが悪いことをいうのですが、
まさに当時の私はこれの固まりだったのです。

座った状態で脚を前に伸ばし股を広げても
60度くらいしか開かない、
脚はまっすぐ伸ばせない、
おばあさん座りはできない有様でした。
一日一ミリ伸びればそれでいい、と先生は言います。
しかし一日一ミリでは一ヶ月で3センチ。
一年なら36センチ、
そんなに脚が開くようになるとは思えません。

そこで私が思ったのは一日一ミリでもいいから前進しようと。
さぼりさぼりのいい加減さでしたが、
少しずつ開脚の角度が広がり、
今から3〜4年前にやっと体を前屈させ、
胸が床につくようになりました。
17年ほどかかったことになります。
超スローな進歩でした。
今は完全に日課になっています。
一日4分でも一年で丁度24時間。
一年のうち丸一日は真向法をやっていることになります。
積み重ねの凄さ、逆に悪い積み重ねの恐さを
齢66にして実感しております。

一緒に病気の私と歩いてくれた女房に感謝。
真向法の本を送ってくれた友人に感謝。
そしてウツ病にも感謝しています。
なぜならこの病気にならなかったら、
あのままの生活を続けていたら、
今、私は生きていないと思うからです。

現在の私は渇望していた、隠居生活を送っています。
生きている限りは肉体的に“快適”でいたいと思います。
真向法の著者は書いています。
――昨日まで立っていた植木がある朝、
音もなく倒れるように死ぬために――と。
とても難しいことですが、
そのために一日0.1ミリの努力をしようと思っています。

          *

17年間、真向法に挑戦して、まさに身・魂・心丸ごとから、
人間としてのいのちのバランスを取り戻した中川さんの
鬱病克服記は凄いものですね。
いまでは、悠々自適で、趣味のゴルフや株を楽しんで、
ゆったりと暮らしておられます。

まえに紹介した、
元講談社の役員・内田勝さんから送られてきた
「病床楽吟」の秀逸なる一首――
「癌なる字読みも字面も凶々(まがまが)し
欝という字と双璧をなす」ではありませんが、
「癌」「欝」といった、誰しもがかかる慢性難病を
自らの知恵で乗り越えることが、
長寿時代を「良い時間をより長く過ごす」秘訣となるわけです。
とくに中年からの「スローライフはスローヘルス」から! 
この金言を忘れずに元気で若生きしていきましょう。


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2007年7月6日(金)

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