元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1783回
ありがとうの「癖」をつける

長命で健筆をふるい、
次に続く世代に、
パワフルなメッセージを送れる人は羨ましい限り。
どんな有名な作家、随筆家でも80歳を越すと、
頭脳は明晰でも
体力的に筆を持つのが辛くなる人が多いもの。
いつまでも「こころ」に思ったことを
「言葉」で表し「行動」に移していく・・・
こうした知的な手作業が続けられることは素晴らしいことだ――、

85歳にして、ますます健筆をふるう
エッセイスト・鮫島純子さんが「青渕」という
雑誌の最新号で執筆された、
「想念のレベル」というエッセイは素晴らしい――、
この話の続きです。

まえに、このコラムで、鮫島さんが、
スローヘルス研究会の新年会に来てくださって、
日々すべてを「有難う」の気持ちで過ごそうという
心温まる話をしていただいたことについて書きました。

こんどのエッセイも、その気持ちを基本とした、
鮫島さんの人生観、死生観を
実際の生活に即して書き下ろしたものです。

「『不安』『疑い』『心配』と言った心の状態は
想念の波動としてのレベルは低い粗いもので、
決して好ましいうつくしいものとは思われません。
ましてやこのごろマスコミを騒がすのが
日常のようになってしまった
『盗む』『騙す』『殺す』などは論外ですが、
相手を攻める前に、或いは社会を怨む前に、
今時分の心のレベルがどの辺にあるのか、
時々チェックする作業が大事ではないかと思っています」
と前置きして、鋭い分析と温かい提案が展開します。
読んでいると教えられることが多くて、
ついついエンパシー(共感)してしまうエッセイで、
鮫島さんらしい気持ちで書き表した
ポイントを抜粋すると以下のような内容です。

            *

「一人で散歩中或いは、乗り物を待つ間などに
突然ジワッと感謝の想いが湧き上がるのを大切にしております。

何事の おわしますかは知らねども
かたじけなさに涙こぼるる  西行

こんな心境と申したらおこがましいかもしれませんが、
それを深め細胞の一つ一つに宇宙のエネルギーを和らげたパワーが
じわーっと入って来る余韻を大切に、
そこで改めて感謝しなおす癖をつける努力をしております(略)
先日ギックリ腰になりました時も途端に
思わず口をついてでてきたのは
『ありがとうございました』でした」

「この世に生まれて以来ずっと、
空気も水も頂き、
誕生以来一秒たりとも休まずまず内臓たちを動かし、
呼吸も消化も排泄も
上手にコントロールしてくださっている・・・、
これ以上一体何を願う必要がsるのでしょうか!(略)
85年生かしていただいて、
このような経験をつみかさねていくうちに
やっとしみじみ思い知りました。ついてはあの世への引越しまで
とにかくただ一途にすべてを有り難く
享ける想いの癖をつけましょうと訓練中です(略)」

どう思いますか? 
「ありがとうの癖をつける」というフレーズが、
いかにも、人生経験をつんできた鮫島さんらしい、
素敵な実感だと思いませんか。
そして、さらに「こころ→言葉→行動」が、
いかに大切かということについて、
たんたんと筆を進められているところが印象的なのです。


←前回記事へ

2007年7月15日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ