元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1868回
なぜ放射線療法が注目なのか?

いまや男性特有のガンである、
「前立腺ガン」による死者の方もふえつづけており、
2020年には男性のガン死亡率一位の肺ガンに迫っていく――、

いま発売中の「いのちの手帖」第4号に特集された、
ブラキセラピー療法で前立腺ガンを克服して3年の
翻訳家の藤野邦夫さんによる
「最前線医学情報=
急増する前立腺ガン、子宮頸ガン、食道ガン・・・
10年治癒率で優れているブラキセラピー療法」と題する、
7ページに渉る特集の抜粋紹介の続きです。

          *

現在の世界のガン治療の大きな特色のひとつは、
放射線が手術と同等の効果をあげていることです。
だから、患者の身体的・精神的な負担を
さらに軽くしようとすれば、
「放射線治療」に軸足を移すのが当然の選択肢になります。
医療先進国のガン治療は、まさにこの方向に進んでいます。
たとえばアメリカでは66%、
ドイツでは60%、イギリスでは56%のガンが、
放射線だけで治療されています。

ところが、日本はわずか25%という低率であり、
世界でも異例に手術が幅をきかしている国であることがわかります。
その理由として、内科医や外科医に
放射線の知識が欠けていることや、
放射線科医が全国に500人しかいない事情などもありますが、
なんといっても患者の側に自覚が欠けていることが
大きいといわれています。

たとえば欧米やオーストラリアでは、
タレントの向井亜紀さんや
ZARDの坂井泉水さんもかかった「子宮頸ガン」は、
一期でも二期でもほとんど放射線で治療しています。
ところが日本はこの逆で、
一期でも二期でもほとんど手術しており、
手術がむずかしくなる三期あたりから、
ようやく放射線が使われるにすぎません。

しかし子宮頸ガンを手術したばあい、
排尿・排便が非常に困難になることがあります。
さらにリンパ浮腫がおこれば足がむくみ、
ひどいばあいは歩けなくなって、生涯治ることがありません。
子宮頸ガンでは手術という選択肢に、
いかにリスクが高いかわかるでしょう。
それにどんなガンのばあいも、
手術より放射線の治療費のほうが安いことも、
よくよく理解しておく必要があります。

現在の世界のガン治療では、
からだの外側から放射線をあてる「外照射」と平行して、
体内に留置した線源から照射する
「ブラキセラピー」が広く適用されるようになっています。
「ブラキ」というのは、
ギリシア語で「短い」を意味することばであり、
これはこの治療法に使う放射線の照射距離が
非常に短いことによっています。
つまり、ブラキセラピーというのは
「短い距離を照射する治療法」という意味です。
それでは照射距離が短いことに、
どんなメリットがあるのでしょうか。(略)

           *

このブラキセラピー療法は子宮頸ガン、子宮体ガン、膣ガン、
舌ガン、口腔底ガン、頬粘膜ガン、食道ガンなどでも、
効果が上っているそうですから、
前立腺ガンの患者さんのみならず、
一度、「いのちの手帖」を手にとって読んでみてください。


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2007年10月8日(月)

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