元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1936回
「いのちの居場所」と「いのちの帰る場所」(2)

「ただ、明るく前向き」では、病気の克服も、
人生の転換もそうそう掴めるものではない――、
「無理に明るく前向きを装っても人生の養生はうまくいかない」、
そうではなく、「人間は哀しくて寂しいもの」
と思えば希望もむくむくと湧いてきて病気も治るものだ――、
では、不運、災難、病気を克服するパワーの源はどこにあるのか?
それは、自分の「いのちの居場所」と、
やがて「いのちの帰る場所」を持っているか?
これで人生が大きく分かれる――、という話の続きです。

最近は団塊の世代の定年退職もあって
65歳以上の人口が2500万人、
50歳以上が5000万人というシルバー大国になっただけでなく、
その中高年世代を狙った詐欺まがいの
金儲けや病気平癒のいんちき商法が跋扈して、
「俺オレ詐欺」ではありませんが、
ころりと騙される中高年が増えてきた風潮も目に付きます。

「俺オレ詐欺」や「一攫千金の詐欺」の商法だけではありません。
退職したら
「よーし、これからは、やりたい放題の気ままな人生だ」と
思う人が増えてきたようで
「豪華海外別荘地・詐欺商法」に騙されて
数千万円をふんだくられたり、
さらには「あなたの半世紀を書いてベストセラーにしませんか?」
といった「自費出版。甘言商法」にころりと騙されて、
泣き寝入りしている中高年も多いというではありませんか?

ま、HIQの読者なら、手堅く、自在に、
財産形成や人生設計をする人が多いでしょうから、
そうした商法にエネルギーを吸い取られる心配はないでしょう。
とくに、20代、30代なら、一度くらい失敗しても、
まだまだやり直すチャンスはありますが、
40代後半から50代、60代となって、
詐欺商法に騙されたり、また自分の事業に失敗したり、
さらにガンなどの慢性難病にかかったりすれば、
なかなか再起するのが難しくなります。

「いのちの手帖」第3号で、邱永漢先生が
以下のようなエッセイを書いておられます。

         *

【特別寄稿】 の「金言名句」 健康五原則――
●年をとってから事業に失敗しない

(略)第四に、年をとってから、お金に困らないように、
早くから老後の設計をしておくことである。
公害がふえたというが、公害がふえてから、
平均寿命がうんと長くなった。
公害を付随的にもたらした富の増大が、
公害そのものよりも、平均寿命に貢献したからである。

第五に、これは四番目の原則と関係があるが、
中年以降になって事業に失敗しないことである。
仕事が思わしくなくなると、ストレスに影響して、
忽ちあちこちに故障が続出して病院にかけこむことになる。
だから、適当なスリルは必要であるが、
事業をやっている人は、事業そのものが
ひっくりかえるような大冒険はやらないことである。
以上の諸原則を私がそのまま墨守しているわけではないが、
健康に必要なものだと信じている。

          *

つまり、自分の居場所をつかんでいるという事は、
ただ心魂の安定する「居場所」のみならず、
経済の安定もますます重要であるということを
おしゃっているのだと思います。
健全なる心は健全なる身体に宿る、
人はパンのみに生きるにあらず、されど、パンは大切である・・・
身・魂・心の「いのちの居場所」をしっかりと掴んでおくことは、
これからの長寿社会の究極の処世哲学でもあるわけです。
そして、さらに将来の「生死一体の境地」に目覚めて
「いのちの帰る場所」を掴めば、死の恐怖を乗り越えるばかりか、
さらに、この世を悔いなく全うする
躍動するパワーをつかむ事ができるのではないでしょうか?


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2007年12月15日(土)

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