元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1962回
猪瀬直樹さんに聞く「なぜ副知事なのか?」

昨年末、このコラムの第1948回で
「時代に流されずに生きるには?」と題して、
僕の親友ともいうべき作家の猪瀬直樹さんの2冊の新刊本、
「作家の誕生 (朝日新書) 」
「空気と戦争 (文春新書)」
を紹介したことがあります。

いまの時代は、作家のみならず、
一般の市民も昔のように軍閥、戦争といった
目に見える「敵」ではなく、
目に見えにくい「敵」と闘う時代だ――
その見えにくい「敵」のひとつが
「無責任の装置」である官僚機構だ――
近代戦争を体験した日本という国の将来はもちろんのこと、
これから,読者ひとり一人が
「時代に流されずに生きるにはどうすればよいか」――
という、いかにも猪瀬さんらしいメッセージについての話でした。

というわけで、年末にちょっと別件の用事もあって、
東京都庁の巨大ビルの6階にある、
副知事室を初めて訪問し、
「なぜ作家が副知事になるのか?」という
疑問について聞いてみました。
猪瀬さんはご存知の方も多いと思いますが、
無責任な官僚構造を批判し、
日本復活のシナリオを提案するだけでなく、
実際に自らが大組織に飛び込んで、
副都知事や道路公団民営化推進委員など就任し、
現場の先頭を切って、メスをいれる――、
絶えず、
闘う作家として挑戦し続けるエネルギッシュな人ですから、
いろいろと面白い話を伺ったのですが、
オフレコの内容も多いので、
そのときに、猪瀬さんが見せてくれた、
「週刊 読書人」1 2007年9月21日号の  
第1面、そして第2面、第3面を飾ったインタビュー大特集――、
「東京都副都知事になった作家の抱負」
と題する内容の一部を抜粋紹介しましょう。

都庁の副都知事室にて

まずは、なぜ、副都知事になったかという疑問について、
これは僕も直接聞いた話ですが、
このインタビュー記事に
端的に述べられていますので抜粋しておきます。
「初め、副知事をお断りしていたのです。
石原慎太郎知事と何度かお話するうちに、
彼が『僕は知事になってから八年間、
長編の構想を七本作ったんだ」と言った。
なるほどな、リアルな色んな現場に接するとヒントが出て、
人間に対する洞察力が深まることがあるんだなと
思いながら聞いていましたね。
『僕は七本考えたよ』
という口説き方もあるんだよね(笑い)」

そして、「知事が作家で副知事が作家」という
前代未聞の珍しい都政が、
いま始っているわけですが、
「作家知事+作家副都知事」のパワーの必要性についても、
ずばり、以下のように答えているのが、
じつに現代的で、
新しい息吹を伝えているように思いました。

「珍しい(笑い)。
僕は(道路公団で)小泉(元首相)さんを手伝ったけど、
あの人も直感の人だった。
(石原さんも)直感の人ですから。
僕も直感で生きているところがあって。
小泉さんも右脳的な人と言われて、
一種の作家的な人で、感性の人ですよ。(略)
そういう感性が官僚機構との最後の勝負で、
勝てば日本に未来は拓けると。
その場合未来へ一歩先に行けるのは東京だという考えで、
僕はやるつもりです」

いのちも、薬やメスだけではなく、
「直観・躍動・歓喜」を繰り返していくことが
内なる生命エネルギーを溢れ出させる――とは、
ホリスティック医学の権威で、生命場論の教祖でもある、
われらが帯津良一医師の持論ですが、猪瀬流にいえば、
これから、あらゆる分野で時代をパワーアップするものは
「作家的直感」だというわけです。


1 http://www.dokushojin.co.jp/70921.html


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2008年1月10日(木)

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