元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1968回
病床楽吟(2)

詩を書く、短歌や俳句を作る、
もちろん小説やノンフィクションを書く、
絵を描くといったことが、
ガンの心の養生効果を挙げる――、

僕の大先輩に講談社の常務をやっておられた、
内田勝さんという天才的でタフな編集者が
肺ガンと宣告されて、手術ではなく、
抗ガン剤治療とハナビラタケの養生法で過ごしているが、
そのエネルギーアップのヒケツは、
趣味の短歌つくりにあった――、

「病床楽吟」と題して入院中に作りまくった短歌は
なんともパワフルで痛快な名句ばかりだったので、
これぞ、いのちのエネルギーを高める心の養生法だと思って、
「いのちの手帖」第4号にも原稿をお願いした――、
という話の続きです。

とにかく、読めば、実に痛快、
これではガンも「タジタジ」となりそうですから、
まだ読んでいない人のために、パワフルな前口上から
抜粋紹介しましょう。

       *

一筆啓上 この春(2月)の思わぬ椿事、
小生の肺癌羅病、入院加療に際しては、
お見舞やさまざまなお気遣いを賜り、
改めて厚く御礼申し上げます。

約1ヶ月の入院にて抗癌剤治療も
さしたる副作用もないまま退院でき、
現在、3クール目の通院治療中です。
盟友の三五館社長・星山佳須也さんより送られた、
“奇跡のキノコ”ハナビラタケなども併用し、
免疫力の向上に励んでおります。
入院、加療中の経過や心境につきましては、
いちいちお目にかかって報告すること叶わず、
はなはだ勝手な趣向ではありますが、
徒然にまかせた腰折(下手な短歌)をもって
代えさせていただこうと、
一部、親しい方々には書状に「病床楽吟」と題する
50首を添えて送らせていただきました。

その後、無事、半年を過ぎ、
勤め先にも週2回出勤しておりますので、
40年来の畏友であり、いまは癌友ともなった関根進さんの
「いのちの手帖」の誌上に『病床楽吟』抄を掲載する次第です。

短歌アレルギー、それもとくに下手な歌に過敏に反応する方、
またいささか副作用(軽い頭痛、吐き気など)を
ともなうおそれもあるや知れず、
体調不調をまねくおそれもありますので、
各自の責任において以下、ご観賞、ご批評賜れば幸いです。
くれぐれも健康専一にてお仕事、養生に励まれんことを祈ります。

                *

どうですか? 
ガン患者もここまでくれば達人です。
ちなみに、名物編集長だった内田さんの経歴は
以下のようなものです。

●内田 勝(うちだまさる)さん―― 
昭和10年、北海道生まれ。
昭和34年、東京教育大学(教育学専攻)卒業後、講談社に入社。
少年マガジン創刊にかかわり、
昭和40年から6年間、同誌編集長として
「巨人の星」「あしたのジョー」「ゲゲゲの鬼太郎」
「天才バカボン」などを世に送り出す。
その後、「月刊現代」「HOT-DOG PRESS」編集長、
編集局長、役員を歴任し退社してからは
ソニー・ピクチャーズでアニメ専門チャンネル
ANIMAXの立ち上げなどに参加する。
著書に「奇の発想」(三五館)がある。


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2008年1月16日(水)

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