元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1993回
「温熱野菜スープ」とファイト・ケミストリー

スローヘルス研究会のメンバーに、
前立腺ガンを最新「ブラキセラピー療法」という
放射線治療法で治療して4年――、
血液検査によるマーカー値も正常が続き、
元気に過ごしている、翻訳家の藤野邦夫さんがいますが
その退院後の元気の秘密、食養生法の秘密は
「温熱野菜スープ」にある――という話の続きです。
以下、藤野さんから来た「温熱野菜スープ」情報は、
いかにも世界の最新健康情報に詳しい、
藤野さんらしい分析による解説がついていますので、
抜粋紹介しておきましょう。

            *

欧米ではかなり以前から免疫研究の一環として、
植物のもつ免疫力増強効果と
抗ガン作用の研究がおこなわれてきました。
この学問領域は
「ファイト・ケミストリー」(植物化学)と呼ばれています。
これは「植物」を意味するギリシア語の
「phyto」(フィト)を英語読みした発音で、
この領域でもそうとうなエビデンスが重ねられてきました。
しかも、じっさいに世界のガンセンターや
治療施設でも実施されていることや、
日本でもすでに実施している病院があることがわかりました。

この療法の目的は、
野菜や果物のもつ強力な抗ガン作用を生かして、
(1)ガンの再発を抑えること、
(2)抗ガン剤治療に付随する好中球を中心とする
白血球の減少を抑止すること、にあります。

抗ガン剤を使用するばあい、骨髄抑制がおきることから、
血液細胞(赤血球と白血球)が減少することが知られています。
これらを正常値で見ますと、
マイクロリットルあたり赤血球が400万個あるのにたいして、
白血球は8000〜4000個しかなく、
好中球はこのうちの34〜80%を占めています。
そして、問題は好中球の体内半減期が非常に短いことにあります。
赤血球の体内半減期が120日(4か月)もあるのにたいして、
血小板は7日、好中球はわずか8時間しかありません。
この好中球を中心とする白血球が1000以下になると
感染症のリスクが高まり、
500以下になると深刻な感染症が心配されるようになります。

さらに100レベルになると致死的な感染症がおきて、
もはや回復することが不可能になります。
だから白血球が1300程度になると、
抗ガン剤を投与することはできません。
こうした感染症は外部からの感染だけでなく、ふだんなら
なんの問題もない体内にいる菌類(緑膿菌やブドウ球菌など)が
免疫力の衰えによって活動しはじめる
「日和見感染」も大きな不安材料になります。

そもそも生野菜の細胞膜は堅く、
人間が消化・吸収することに困難があるそうです。
これに着目して、最近では加熱した
トマトジュースまで発売されています。
そして、このように加熱したばあいは、
生野菜の10倍から100倍の
抗ガン効果を発揮するとされています。

              *

では、この温熱野菜ジュースはどうやって作るのか?
その話は、また明日。


←前回記事へ

2008年2月10日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ